最終合格率10%の難関を突破
岩田地崎建設(本社・札幌)に務める建築部工事課の大沢政俊さん(21)は昨年12月、1級建築士に合格した。大沢さんは、同年3月に国家資格認定の専門学校を卒業。建築士試験は2020年度から実務経験を受験要件から除外したため学校卒業後すぐに受けられるようになったが、最年少の20歳(当時)で最終合格率約10%の難関に合格するのは全国でも珍しく大きな快挙だ。

札幌市内の建築現場に勤務する大沢さん。
さらなる資格取得にも意欲的だ
大沢さんは2000年1月31日生まれ、室蘭市出身。18年4月に日本工学院北海道専門学校(登別)に入学し、在学中に宅地建物取引士の資格や2級建築施工管理技士の学科試験に合格。20年度から建築士試験は実務経験がなくても受験が可能になったことから、専任講師からの勧めもあり「せっかく受けるなら最年少を取りにいこう」と1級の勉強を始めた。
卒業後、20年4月に岩田地崎建設に入社。6月に札幌市内の建築現場に配属された。平日は業務に従事する傍ら周囲の協力もあって勉強の時間はきちんと確保し、土日は自宅や資格予備校の講座で集中的に受験対策に当てた。問題集で分からないところは8回、9回繰り返し解き、当日は「やるだけ勉強してきた」と自信を持って緊張せずに試験に挑むことができた。
そして12月25日、合格の通知が来た。小学生の頃、祖母に将来の夢を聞かれ「建築に関する仕事に就きたい」と答えた。ものづくりへの関心は次第に大きく育まれ、高校3年生の時には1級建築士の資格取得を目標に掲げた。早くもその目標をかなえることができ、受験に協力してくれた家族や会社の先輩、上司、専門学校の先生に感謝した。
建築士の免許登録には専門学校卒業者の場合、4年以上の実務経験が必要になる。現場の職人からは「現場で経験を積んでおきなよ。頭でっかちになるなよ」との言葉をもらった。大沢さん自身も「現場で納まりや段取りをがっつり勉強していきたい」と意気込む。
1級施工管理技士のほか、高所作業車など現場で活用できる資格取得にも意欲的で「技術者として自分でもやれることを少しずつ広げていきたい」と、現場で周りから頼られる存在になれるようさらなる成長を目指す。
(北海道建設新聞2021年2月3日付1面より)