札幌開建は、新千歳空港誘導路複線化で進めている末端取り付け誘導路複線化について、2022年度にも南側の工事を本格化させる見通しだ。同誘導路は南北に設置を計画しており、現在は北側部分を優先的に施工。北側部分は20年度に着工し、21年度は新千歳空港北側末端取り付け誘導路新設ほか、新千歳空港誘導路新設ほかの工事2件を進める予定となっている。
18年度に着手した複線化は冬季の滑走路運航円滑化が目的で、末端取り付け誘導路複線化と平行誘導路複線化の2つで構成。
末端取り付け誘導路は、既存の滑走路(A・B滑走路)2本と平行誘導路(D誘導路)1本を縦貫する取り付け誘導路を南北に2本整備する計画。除雪車両が航空機通行の影響を受けずに滑走路から誘導路に移動できるため、滑走路の閉鎖時間短縮につながる。
平行誘導路では、A・B滑走路とD誘導路の南側に、約1500mの誘導路を新設。これにより駐機場へ引き返す航空機が滑走路を占有するケースを解消できる。
当初、取り付け道路は22年度、平行誘導路は25年度の完成を予定していたが、滑走路運用との兼ね合いや現場の状況変化などから現在は未定。
平行誘導路に関しては現在、用地買収の交渉中であるため、取り付け誘導路を先行整備する考え。末端取り付け誘導路は南北2本のうち、北側を優先的に施工している。
20年度に着工済みの北側部分のうち、北側末端取り付け誘導路新設ほかでA2・H4道路南側の表層までの施工を終える見込み。誘導路新設ほかではB2道路南側部分を施工し、その後さらに上層部の工事も進める計画だ。
南側部分は、北側部分のめどが付き次第着手する予定で、本格的な着工は22年度以降となる見通し。
21年度に取り組む工事は2件。新千歳空港北側末端取り付け誘導路新設ほかは公告済みで、25日に開札する予定だ。
WTO政府調達協定対象の新千歳空港誘導路新設ほかは、来週にも一般競争公告する見込み。舗装の単体と特定共同体を対象とし、技術提案評価S型を採用する考え。
事業規模は10億―20億円で、開札は21年度第1四半期(4―6月)、工期は9カ月となる見通し。施工場所はB2の南側で、土砂掘削2万1000m³、路床盛り土8500m³、下層・上層路盤3万9200m²、アスファルト舗装7000m²などを計画している。
(北海道建設新聞2021年2月8日付12面より)