北海道労働局が毎月発表している道内雇用失業情勢によると、2020年の建設関連職種の有効求人倍率は、型枠大工・とび工で最高8・35倍、建設・土木・測量技術者で6・27倍と前年を下回ったものの、人手不足の状態が続いている。一方で、建設関連職種の求職者数は増加しつつあり、コロナ禍でいかに採用につなげるかが重要となっている。
建設業の関連職種として建築・土木・測量技術者、警備員、型枠大工・とび、大工・左官、電気工事・電気配管、建設・土木作業員の6職種を集計した。
道内の全職種の平均有効求人倍率は、19年が1・2倍前後で推移しているのに対し、20年は4月以降1倍を下回る。新型コロナウイルスの影響で宿泊・飲食サービス業を中心に新規求人数が大きく落ち込んだことが影響している。
一方で、建設関連職種への影響は小さい。20年の最高値を19年と比べると、型枠大工・とび工と大工・左官、警備業では前年を下回ったものの、いずれも2倍を超え人手不足が顕著だ。
この状況の中、建設関連職種の求職者数は増加傾向にある。大工・左官では、19年は2、4月を除く月で前年を下回ったが、20年は全ての月で前年よりも増加した。建設・土木作業員では7カ月連続、型枠大工・とび工と建築・土木・測量技術者は8カ月連続、警備員は12カ月連続で前年同月を上回った。新型コロナウイルス感染症に伴い求人数が減少している他産業から、人手不足の状態が続く建設関連職種へ求職者が流れた可能性もある。
道労働局や道では、新型コロナウイルス感染症による離職者と人手不足分野をマッチングする取り組みを進めている。道労働局の担当者は「他産業の離職者が来てくれればと求人を出す建設業者が多い。しかし、他業種への転職は難しい面もある」と話し、さらなるマッチング強化に向けて取り組む考えを示した。
(北海道建設新聞2021年2月9日付1面より)