システム吊り足場「クイックデッキ」軽量版提案 日綜産業

2021年02月11日 10時00分

組み立て工数削減、省人化 施工効率を20%以上向上

 日綜産業(本社・東京)は、先行床施工式フロア型システム吊り足場「クイックデッキ」の軽量版「クイックデッキライト」を提案している。トラス部分をアルミで製作するなどして、従来に比べ35%の軽量化を実現。組み立て工数削減や省人化により施工効率を20%以上向上できるとしている。

導入したクイックデッキライト上で「仮設災害の防止強化を図りたい」と話す石井組の小保内常務

 クイックデッキは、ジョイストとノード、デッキパネル、高強度の吊りチェーンなどで構成。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録済みで、全国で約1000件の採用実績がある。基本構成部材が全てシステム化されていて、専用工具を必要とせず人力で組み立てが可能だ。

 床面を先に施工し、その床面を使って吊り元を設置する先行床施工式を採用。身を乗り出しての作業がなくなり安全性を高められる。

 従来型の吊り足場内部はチェーンが多いが、クイックデッキのチェーン間隔は最大5m。このため、広い快適な作業空間を確保できる。段差や隙間もない。5mまで跳ね出しが可能だ。

 クイックデッキの最大積載荷重は1m²当たり350㌔。小さな橋梁工事などではオーバースペックだったことから、こうした現場でも採用しやすい軽量版のクイックデッキライトを開発し、2020年7月に発表した。

 クイックデッキライトは、クイックデッキの先行床施工式の組み立て方法や段差・隙間のない安定した作業床、広いチェーンピッチで作業空間を確保といった特長はそのままに、トラス部分などをアルミで製作したり、デッキパネルを小型化、吊りチェーンの重量を減らすなどして軽量化を図った。2・5mまで跳ね出しでき、積載荷重も従来型足場やシステム型吊り足場を上回る1m²当たり200㌔。接続用ジョイストで、クイックデッキとクイックライトを接続可能だ。積載荷重に応じて使い分けができる。

 クイックデッキライトの国内4例目となる採用現場は、函館市発注の白樺橋橋梁補修。施工を担う石井組(本社・函館)は、従来の仮設足場では耐えられない積載荷重を許容し、橋梁塗装作業時に発生するブラスト材の飛散を防ぐため採用したとする。また、寒冷地に不可欠な給熱機材を設置できるスペースを確保できるほか、市街地の交通規制短縮を図られるといった点を評価。現場では110m²の範囲にクイックデッキライトを導入している。

 石井組の小保内義人常務は「安全性と施工性に特化したものを積極的に取り入れて、仮設災害の防止強化を図りたい」と強調する。

 日綜産業札幌営業所の村本雅樹所長は、補修が必要な多くの橋梁を限られた期間で整備しなければならない現状に触れ、「札幌や函館、旭川といった道内主要都市を拠点に、各地方自治体に知ってもらうことで、橋梁補修などに役立ててほしい」と話している。

(北海道建設新聞2021年2月9日付3面より)


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