道央圏中心に展開検討
共成レンテム(本店・帯広)は、本州営業部を1月1日にグループ会社へ統合したことで本道に集中した事業展開を進める。道央圏を中心に営業店舗を増やすとともに生産性を高めるため、機械を集約・整備する新たな拠点を構想する。同日付で社長に就任した石井丈夫氏に今後の経営戦略を聞いた。
―東北、関東にある営業拠点をアクティオに事業承継した。
5年前のアクティオホールディングスとの完全グループ化を機に、人事交流や業務システムが整い始めたこのタイミングで経営判断をした。共成レンテムは北海道に特化し、アクティオ北海道支店とさらなるシナジーを構築するのが目的だ。
―道内に特化した営業展開とは。
帯広に本店を置いて事業展開する考え方に変わりはない。特に十勝エリアでの事業量の割合は多く、シェア拡大を目指すための重要な場だと考えている。
アクティオグループとしての成長過程で、北海道のマーケットは重要視されている。共成レンテムとして今後、道央圏を中心に店舗展開や新規事業を検討する。さらにレンタル機械の整備生産性を高めることも課題で、中長期的には整備拠点の新設を視野に入れている。市場を見極めながら計画を進めたい。
―コロナ禍で民間工事を中心に計画の延期・中止が相次ぐが影響は。
今期最終決算では売り上げ、利益ともに過去最高になる見通しだ。3、4年前からレンタル資機材を中心に設備投資を積極的に進めたため、売り上げに跳ね返った格好だ。購入し続けて4年が経過し、その機械が一巡したことで売り上げが伸びた。利益に関しては、無駄な部品発注を抑制するなど業務改善活動などの結果、原価低減につながっている。
外的な要因はこれまでと変わらないが、コロナ禍により民間建築計画に若干の遅れがあるなど、数字に影響はあった。ただそれ以上に公共工事をはじめとする土木の受注が堅調だったことでプラスに終わることができた。
―民間工事量が前年度よりも減少している影響で、受注競争が出始めていると聞くが。
受注確保のため価格での競争になると、弊社も巻き込まれるだろう。コストは下がらない、稼働も上がらないということでは困る。そうならないためにも新たな生産拠点を設けて機械をいかに安く修理・整備し、効率良く回せるかが必要になる。
―新社長としてどのような経営をするか。
札幌都心部の大型プロジェクトには注目している。JR札幌駅前周辺の再開発ビルは地下2、3階になる。土木工事の際は、地下と地上の作業を同時並行で進める逆打ち工法の技術が今後、強く求められるだろう。普通のバックホーやダンプだけでなく特殊な機械も必要になるため、工事に参画できるよう準備を進めたい。
グループとしての総合力がさらに求められ、共成レンテムの強みを最大限に発揮すべき段階に入ったと強く感じている。
アクティオHDでは、中長期的な経営方針を打ち出していて、それに沿った成長路線を共成レンテムとして進める。確実に成長できる環境整備をしながら売り上げを伸ばしたい。
(聞き手・武山 勝宣)
石井丈夫(いしい・たけお)1969年生まれ、千葉県出身。茨城県内の高校を卒業後、アクティオに入社。2020年4月に共成レンテムに執行役員専務で出向し、21年1月から現職。
(北海道建設新聞2021年2月12日付2面より)