大成、売上高1兆円割れ
大手ゼネコン4社の2021年3月期第3四半期決算が出そろった。3社が減収減益となったが、鹿島が減収ながら増益を確保した。連結売上高や本業のもうけを示す営業利益、経常利益、純利益全てで鹿島が首位。大成建設は売上高が1兆円に届かなかった。通期業績予想に対する売上高の進捗率は鹿島の72.7%を最高に、清水建設69.4%、大林組68.7%、大成建設63.7%の順だった。
4社の連結売上高総額は前年同期に比べ12.7%減の4兆6715億100万円にとどまり、6778億1400万円下回った。連結営業利益総額は3401億1700万円(13.5%減)、連結純利益総額が2600億3200万円(14.4%減)とそれぞれ減った。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で民間設備投資の減少など受注環境が悪化。計画中止や発注時期先送り、工事の中断・遅延が発生し建設市場の低迷を裏付けた。感染防止対策に伴うコスト増なども採算性に影響を与えた。
単体を見ると、受注高と完成工事総利益は鹿島、完工高は大林組、繰越高は大成建設が最も多かった。
受注高は4社合計で2兆9444億5700万円(10.2%減)。受注の柱となる国内民間建築は大成建設が増加、清水建設が横ばい。大林組は大幅に落ち込み、鹿島も苦戦した。国内官公庁土木は堅調に推移したが、鹿島だけが振るわなかった。鹿島は国内民間土木の伸びが下支えした。大成建設は海外建築、清水建設は海外土木・建築が足を引っ張った。
完工高は4社とも減少したものの、完成工事総利益は採算改善の鹿島が増えた。
完成工事総利益率は、前年同期の12.4%から14.8%に上昇した大成建設がトップ。鹿島も14.5%(12.3%)とアップした。大林組と清水建設は建築利益率の悪化で低下し、大林組が13.4%(13.8%)、清水建設が12.4%(12.8%)と後退。土木利益率は4社全て向上した。建築利益率は鹿島の13.6%、土木利益率は清水建設の22.8%が最も高かった。
繰越高は合計で7兆3994億5100万円(1%増)。大成建設の2兆2000億円台が筆頭。大成建設と大林組が上積みした。
通期連結業績予想の変更はなく、連結売上高で大成建設が1兆5300億円、大林組が1兆8600億円、清水建設が1兆4850億円、鹿島が1兆9100億円を計画。2兆円台に乗せられず、4社とも減収減益を見込む。
(北海道建設新聞2021年2月16日付2面より)
北海道建設新聞2021年2月16日付け2面では、4者の21年3月期決算の詳細を企業ごとにまとめた表を掲載しています。
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