事業費は最大300億円を試算
北海道開発局は16日、札幌第1合同庁舎で、社会資本整備審議会道路分科会の第26回北海道地方小委員会を開き、旭川紋別自動車道遠軽―上湧別間の計画段階評価を実施した。最終的な対応方針は遠軽町市街地を迂回する全線自動車専用道の別線整備ルート(約14㌔)と決め、事業費は最大300億円を試算。近く新規採択時評価を行い、事業化を目指す考えだ。 同区間は、2019年12月に供用した現在の終点である遠軽ICから湧別町を経て紋別市へと延伸するルートの最初の区間。20年7月に実施した第2回の計画段階評価では①別線整備ルート②別線整備・一部現道改良ルート③現道改良ルート―の3つのルート案を提示した。
住民アンケートや地域企業・団体へのヒアリング結果を踏まえた最終的な対応方針としては、線形不良区間や洪水浸水想定域、地吹雪発生区間などを回避し、現道の交通の影響も受けない①の案を採用。遠軽ICに直結し、遠軽町市街地東側を迂回する自動車専用道約14㌔を新設することで、物流や救急医療の輸送時間短縮、安全性、災害時の代替性など必要な機能を確保する。
事業費は240億―300億円を想定。ICは終点のほか、市街地にアクセスしやすい中間点として道道遠軽芭露線交点付近にフル規格のICを設けるほか、北見方面との連結・アクセス円滑化を図るため、国道333号交点付近にも湧別・紋別方面に向かう乗り口、湧別・紋別方面から来る降り口を備えたハーフICを設ける方針だ。
委員らは、中間地点のICをより市街地側に近づけ利便性を向上させることや道の駅の高度な利用などを提案。遠軽芭露線は18年豪雨でいわね大橋が沈下したこともあるため水害や防災対策も考慮した上でIC位置を選定するよう付け加えて、事務局提案の対応方針を承認した。