網走刑務所は1日、公募していた旧刑務作業用地活用の受託者を、網走市と民間事業者による共同体「リエントリー委員会」に決めた。地域活性化や受刑者の職業指導を目的としており、2021―25年度までを事業期間とする。ブドウや西洋ワサビの栽培を計画しており、21年度は、牧草地の整備や除草に取り組む。
刑法犯の認知件数は03年以降減少しており、20年は61万4303件と、引き続き戦後最少を更新。
全国的な犯罪数や受刑者数の減少に伴い、同刑務所では未活用の農地や森林が増加している。そのため、網走市三眺にある旧作業用地757haを貸し出し、受刑者の職業指導や社会復帰を後押しする。
公募には「リエントリー委員会」のみが参加。市と日本体育大付属高等支援学校(網走)、バイオマス発電事業などを展開するWIND―SMILE(本社・東京)、オホーツク網走農業協同組合、網走地区森林組合、金印アグリ(同・網走)で構成する。
計画では、日体大支援学校によるブドウ栽培は22年5月に苗を植え、25年秋に収穫、金印による西洋ワサビ栽培は23年5月に開始し、同10月の収穫を見込む。ブドウは600―1800㌔、ワサビは150㌧を収穫する予定だ。21年度分の事業費1961万9000円のうち、網走市は21年度予算案に負担分481万円を計上した。
(北海道建設新聞2021年3月3日付4面より)