官民で不測の事態に備える
2023年3月開業予定の北海道ボールパークFビレッジ(BP)では、機能転換型防災拠点を目指し、施設に備える防災機能の協議を18年度から進めている。宿泊施設では寝具を提供、飲食施設は食べ物を提供というように各事業者の特徴を生かして対応するだけではなく、行政と民間企業による連携で不測の事態に備える考えだ。
18年度に協議を始め、新球場建設地決定などを経て、北海道日本ハムファイターズ、ファイターズスポーツ&エンターテイメント、北海道、北広島市は20年1月に防災覚書を締結した。
BPの敷地面積は32ha。北海道日本ハムファイターズの新球場はS一部RC造、地下2地上6階、延べ約12万m²で、収容人数は3万5000人となっている。
地震や大雨といった災害時に、BPを地域防災拠点として活用。店舗などがあるエリアを機能転換拠点と位置付け、事業者の業種にあった支援を展開する。宿泊施設は広域避難場所への寝具提供や個別避難スペースを確保し、飲食施設は食事を広域避難場所に提供。商業施設では災害時に活用できる物資を届ける。
広域避難場所となる新球場は、公共交通機関が復旧するまでの一時的な避難場所という役割を担う。フィールド・コンコースを開放し、1万人を受け入れる見込みだ。
敷地外でも、整備中の周辺道路で無電柱化を図るなど、開業に向けハード、ソフト両面で体制整備が進む。北広島市の担当者は「規模や施設機能を考えると事例はなかなかないが、事業パートナーと協力しながらBPだから可能な防災体制を構築したい」と話している。
(北海道建設新聞2021年3月4日付12面より)