岩見沢市と三笠市の全域、美唄市の一部の水を供給する桂沢水道企業団は10日、新しく完成した桂沢浄水場の稼働を前に、報道関係者向けに内覧会を開いた。総事業費に90億6357万6000円を投入。浄水処理施設能力は1日当たり3万5356m³に上り、道内最大級の膜ろ過浄水場となる。2月16日から3月2日までの総合試運転を経て、16日に稼働する。
現浄水場は1958年供用開始。老朽化のほか耐震不足も判明し、2009年から将来構想について検討を始めた。
浄水場改築に向けては、設計・施工一括発注方式(DB方式)で、メタウォーター・岩田地崎建設・東京設計事務所特定共同体が請け負い、16年4月から着手。建物はRC造、地下1地上5階、延べ9306m²の規模。限られた敷地内の改築で、桂沢ダムからのポンプ井に至る各施設の水面は徐々に低くなるように階層式で設計した。
浄水方法は施設の維持管理が簡易なセラミック膜ろ過のほか、除マンガン・粉末活性炭処理などを導入。施設内には膜ろ過装置や膜ろ過原水槽、活性炭や塩素、マンガンの接触池、混和池、着水井、ポンプ井、中央監視室、水質検査室などを配置している。
膜ろ過装置は約0・1マイクロメートルの小さな孔に原水を通して小さな汚れまで取り除くことが可能だ。
桂沢水道企業団の宮崎俊之事業課長は「最新設備を使った浄水処理で、よりきれいな水を供給できる」と期待を込めていた。
(北海道建設新聞2021年3月12日付14面より)