日本生命保険が進めてきたニッセイ札幌プロジェクト「日本生命札幌ビル」の1期工事(オフィス棟)が完了した。28日、竣工式が行われる。S一部SRC造、地下2地上23階塔屋1階、延べ9万2300m²。ワンフロアの面積は2745m²と北関東以北では最大。セキュリティーや空調設備などでも最高水準のオフィス環境を寒冷地の超高層ビルで実現させた。札幌駅前通と、道の赤れんが庁舎に続く北3条通に面した市街中心部に位置し、にぎわいと風格を兼ね備えたエリアの新たなランドマークとして市民の注目を集め、周囲の市街地再開発のけん引役としても期待が掛けられている。
建設地は札幌市中央区北3西4の旧札幌第1合同庁舎跡地。隣接する旧日本生命札幌ビルが1961年の竣工で、老朽・狭あい化が進んでいたこともあり、2000年12月に用地を取得、旧ビル敷地も含めた一体的な開発プロジェクトとして業務系の高層棟(1期=オフィス棟)と商業系の低層棟(2期)が混在する複合ビルとして04年5月に着工した。
久米設計が設計監理を行い、工事は建築主体を大林組・竹中工務店・鹿島・清水建設・岩田建設・伊藤組土建・丸彦渡辺建設共同体が請け負った。
センターコアに吸気と排気を行う「エアウエル」を設置し、外壁の結氷、落氷によるリスクを回避。外観は縦ラインを強調した石張りのシンプルなデザインで「端正」「親しみやすさ」「安定感」を表現し、一方で赤れんが庁舎に接続する北3条通側をオープンスペースにしてシームレスな周囲との調和を図った。
現在、オフィスのテナントは全体の80%に当たる50社が決定。大林組、久米設計、空調を施工した高砂熱学や三機工業のほか、コピーのタイセーや北海道ファシリティマネジメント協会などが入居する。
07年1月には、2期工事に着工、旧ビルの解体に入る。全体の完成は09年3月。その翌年には札幌駅から大通までの地下歩行空間も完成し、新・日本生命札幌ビルとの全面接続が実現する予定だ。
(北海道建設新聞2006年09月28日付2面より)