札幌パークホテルの建て替えについて、施設を保有する不動産業のサンケイビル(本社・東京)は、2022年の開業を目標に概略設計を進めている。着工時期は20年の東京五輪が終えた後と位置付け、それまでに概要などを固める。ホテルがある中島公園は、札幌市が検討する大規模国際会議場の候補地の一つに挙がっているため、実現すれば併設する形となる。市は3月末まで建設場所の結論を出すとしており、周辺エリアの再開発に影響を及ぼすことからも動向が注視される。
外国人観光客の増加を背景に近年、中島公園周辺では既存ホテルを国内外の企業が取得してリブランドオープンするなど設備投資の動きが相次ぐ。そうした中、札幌パークホテルも老朽化が著しいことから建て替え計画が浮上。サンケイビルは、より施設の効果を高めるため、市に国際会議場の併設を提案しており、両者で方向性について協議を進めている。
新ホテルの概要やスケジュールは明らかになっていないが、同社担当者は「現在もホテルが営業しているだけに、タイミングを見ながら、敷地内でどのような工程になるのか精査している」と状況を説明する。同社は東京や広島などでもホテル計画があることからも、建て替え時期に関しては「東京五輪が終わり、落ち着いたところで動きだすのでは」(担当者)と話している。
こうした動きに合わせ、周辺エリアも慌ただしくなってきている。パークホテルのすぐ近くにはヤマハセンター跡地があり、敷地面積が約6700m²のまとまった土地だけに有効な活用が期待される。所有するヤマハ(本社・浜松)は「売却に向けて現地の担当者が準備を進めている」とし、再開発の動きが待たれる。
札幌市が建設を検討する大規模国際会議場は、中島公園のほか、18年に閉館する地下鉄西11丁目駅周辺のさっぽろ芸術文化の館跡地も候補に挙がる。3月にも結論が出るもようで、いずれの候補地に決まった場合もPFIなどの整備運営手法に関する調査に4月から着手するほか、施設設計も進めていく考えだ。
(北海道建設新聞2018年02月09日付2面より)