小樽開建は岸壁240mなど 管理組合は埠頭用地を整備
国土交通省の2021年度新規事業として採択された石狩湾新港東地区国際物流ターミナル整備の概要が明らかになった。事業期間は21―26年度の6年間。総事業費は92億円で、小樽開建がマイナス12m岸壁240mなど、石狩湾新港管理組合が埠頭用地9・9haをそれぞれ整備する計画。21年度は東岸壁と埠頭用地の調査などを進める。
石狩湾新港東地区を利用する鉄リサイクル企業などの海上輸送需要に対応するため、大水深岸壁を整備し、地域基幹産業の競争力強化につなげる大型プロジェクト。
同港の鉄スクラップ輸出量は全道1位を誇り、東地区には鉄スクラップの集積と品質別の仕分けが可能な埠頭用地9haがある。
近年、鉄スクラップの輸出先が東アジアから東南・南アジアへとより遠方になり、それに伴い船舶が大型化。しかし、既存のマイナス10m岸壁では水深不足で、減載出港を余儀なくされ、経済損失が発生している。
また、韓国の鉄スクラップ輸出も急増しているため、国際競争力強化の観点からも大型船舶への対応、集積・保管エリアの拡大を図ることにした。
全体の整備概要は、小樽開建による直轄分がマイナス12m岸壁240m、マイナス12m航路・泊地27・5ha、マイナス12m泊地1・3ha、港湾施設用地2・4haで約70億円、組合分が埠頭用地9・9haで約22億円となっている。港湾施設用地と埠頭用地の埋め立てに向け、用地の東側240m、北側512・2mに重力式護岸を整備する。
このうち同組合の施工分については、21年度に東地区の地質調査のほか、護岸断面や施工方法の検討、工程計画を含めた基本設計を実施する予定。着工は早ければ22年度となる。小樽開建では21年度にマイナス12m岸壁の調査を進める見通しだ。
(北海道建設新聞2021年4月1日付20面より)