インバウンド回復に対応 大谷清介戸田建設新社長に聞く

2021年04月06日 10時00分

浮体式洋上風力、北海道へ期待

 戸田建設(本社・東京)の1日付人事で、札幌市出身の大谷清介取締役常務執行役員が代表取締役社長に昇格した。同社の北海道での受注について、コロナ禍によりインバウンド需要が落ち込んだため物流施設や病院に方針を転換していたが、大谷社長は2021年度第3四半期(10―12月)からの需要回復を見通し、その好機にしっかり対応する考えを示した。同社が先進的に取り組んでいる浮体式洋上風力についても、今後は北海道を含む全国を視野に前向きに取り組む姿勢を見せる。(建設・行政部 大坂 力記者)

 ―就任の抱負を。

 建設業を取り巻く状況が厳しくなってきた。その環境下で経営体制を強化してしっかりと取り組んでいく。守るべきことは守り、変わるべきところはしっかりと変えるよう進めていきたい。

大谷清介社長

 本業を強化するのは当然だが、新しい戦略事業として不動産関連の投資と環境関連の仕事をしっかり伸ばしていきたい。不動産に関しては、本社ビルの建て替えでかなり投資している。28階建てだが、5層は自社利用、それ以外はテナントとし大きな収益源になる。むしろ24年の完成までの間は旧本社ビルの賃料収入が途絶え、建設に向けてのいろいろなコストが相当かかるため、厳しいところだがなんとか乗り越えていかなければならない。

 浮体式洋上風力は、長崎県の五島列島で実証実験を終えて商用運転している。国内他社はそこまで至っていない。ここまでくるのに約10年かかったが、ようやく形になった。ここに来て国の施策としても50年までにカーボンニュートラルに取り組む方針が示されたが、風力への期待は非常に有効だと大きく言われるようになった。間違いなく浮体式洋上風力は日本の電力政策においても不可欠なもの。その分野のトップランナーということはかなり有利だ。

 ―コロナ禍にある現下の受注環境は。

 業界、業態によっては設備投資意欲がなえているわけではないが、全般的にはコロナ禍で投資の手控えが継続されている。その結果、民間建築では少ない案件に対してかなり競争が激しくなってきている。例えば物流施設やデータセンターはむしろ若干増えているが、皆がそこに集まってくると厳しい状況になる。最高益を出している企業もあり投資余力がないわけではないので、コロナ後には投資せざるを得ない状況になるだろう。コロナが収束する状況にもよるが、およそ第3四半期ごろではないかと思っている。

 ―社長は札幌市出身だが、北海道を建設市場としてどうみているか。

 私の生まれ故郷ではあるが、観光を中心としインバウンドへの期待が非常に大きかった。しかし今の状況の中では非常に厳しい。札幌支店では方向転換をして物流施設や病院に集中して対応しているところだ。ただこれも時期として第3四半期以降に期待したい。間違いなくインバウンドは戻ってくる。北海道への期待が大きくなってくるだろう。その部分はできるだけ対応できれば。

 ―北海道での風力発電については。

 今は地上風力や近海での着床式の洋上風力が主だが、浮体式洋上風力のポテンシャルはあると考えている。

 大谷清介(おおたに・せいすけ)1958年5月生まれ、札幌市出身。札幌南高から北大工学部建築学科に進み、82年3月卒業後、戸田建設に入社。執行役員関東支店長や常務執行役員などを経て4月1日付で現職に就いた。

(北海道建設新聞2021年4月5日付1面より)


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