震災の記憶、後世への教訓に
2018年の北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた、厚真、安平、むかわの3町は「北海道胆振東部地震記録誌」を発刊した。発災当時に復旧に携わった人たちへのインタビューや被害写真などの掲載を通して、今後の教訓として後世へ伝える内容となっている。
18年9月6日午前3時7分に発生した胆振東部地震では、厚真町で北海道では初めてとなる最大震度7を観測。大規模な土砂崩れが発生し、44人の尊い命が失われた。
こうした被災経験を記録に残すことで、近年相次ぐ自然災害への教訓を伝えようと、記録誌を作成することにした。
発刊に当たり、宮坂尚市朗厚真町長、及川秀一郎安平町長、竹中喜之むかわ町長の連名で、国や道をはじめとする関係機関や全国の自治体職員の災害対応や全国各地から駆け付けたボランティアへの感謝、町民が安心して暮らし続けられるまちづくりに向けた決意を記した。
冊子では、陸上自衛隊や北海道開発局、道、胆振東部消防組合、日本赤十字社道支部という復旧に携わった人たちに当時の様子や支援状況、今後の教訓などを聞いた。また、3町それぞれの地震への対応や町長、支援に携わった人へのインタビュー、被害や支援の様子を収めた写真、地震発生やその後の支援を伝える新聞記事などを掲載している。
3000冊作製。各町の図書室のほか、公式ホームページで公開している。(苫小牧)
(北海道建設新聞2021年4月9日付11面より)