紫外線投射で雨漏り調査 北海道オリンピアが本格展開

2021年04月18日 10時00分

光る7色 的確把握

 北海道オリンピア(本社・札幌)は、紫外線を投射することでサッシ周りなどの雨漏りを調べる「レインボービューシステム」を2021年度から本格展開する。7色の発光色を持つ調査液を使い、雨水の浸入口や浸入経路を特定する工法。先行して事業展開する赤外線外壁診断システムと合わせることで、タイルの浮きや雨漏り箇所など建物のコンディションを的確に把握可能で、建物の長寿命化に貢献できると考えている。

7色の発光色を持つ調査液を使い、
雨水の浸入口や浸入経路を特定する

 レインボービューシステムは全日本雨漏調査協会(本部・大阪府東大阪市)の特許技術。国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録する。北海道オリンピアは昨年11月に協会に加盟し、道内で唯一、同工法を扱う。

 紫外線に反応する専用調査液を浸入口と思われる箇所に散布し、屋内から紫外線を投射することで、雨漏りの浸入箇所や経路を特定。調査液が伝わった所は、紫外線を当てることで青白く発光するため、水の流れを把握できる。

 木造、RC造、S造を問わず対応し、戸建てのほかマンションやビルも調査できる。調査液は衣類や洗剤などに使われている蛍光増白剤が原料で、建物と人体に無害。着色や変色することもない。

 従来の雨漏り調査は雨の降る日に実施することが多かったが、同システムは天候を選ばず晴れた日でもできる。サッシ回りの防水テープの施工不備、下地や仕上げの施工不良、納まり、取り合いの知識不足など、雨漏りの発生原因はさまざま考えられるが、原因を特定した上で補修するため、手探りで補修を繰り返すといったロスが無い。

 マンションや商業ビルなど全国で多くの実績を持つ。美術館や図書館、学校、市役所、球場といった公共施設も多数調査している。

 北海道オリンピアは、赤外線カメラを使って外壁タイルの浮きや雨漏り箇所を解析する「赤外線建物診断」を15年から提供。既存の赤外線建物診断との親和性が良いと考え、レインボービューシステムを取り入れることにした。

 宮本典英社長は「従来工法よりも安価に調査できる赤外線建物診断とレインボービューシステムを通し、建物長寿命化のお手伝いができれば」と話している。

(北海道建設新聞2021年4月15日付3面より)


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