北見工大環境・エネルギー研究推進センターは、2020年11月に十勝沖海底で採取した表層型メタンハイドレートから、水素とカーボンナノチューブの生成に成功した。北見工大は、今回得られた成果を社会実装できれば、将来の水素原料の安定供給に役立つことが期待されるとしている。
同センターは非在来型天然ガスやバイオガスなどを用いる脱炭素・水素地域社会の実現に向け取り組んでいる。20年11月には、北大水産学部付属練習船「おしょろ丸」を用いた共同利用航海を実施。水深935mの海底で重力式コアラーにより表層型メタンハイドレートの採取に成功した。
このメタンハイドレートから取り出したメタンと、北見工大が開発した触媒を用い、二酸化炭素が発生しない化学反応によって、メタンハイドレートに由来するメタンから水素を生成することができた。
さらに、メタンを構成する炭素は、リチウムイオン電池や強化樹脂などへの応用研究が進んでいるカーボンナノチューブとして回収できた。
(北海道建設新聞2021年4月22日付11面より)