雪冷熱を利用して冷房 ホワイトデータセンター構想始動

2021年04月28日 10時00分

 いよいよ美唄市内の空知団地で雪冷熱を活用したホワイトデータセンター(WDC)構想の事業化が本格的に動き出す―。

創業発表会で事業本格化に期待する
板東市長(左)と伊地知社長

 1日に設立したホワイトデータセンター(本社・美唄)は23日、美唄市役所で創業発表会を開いた。ホワイトデータセンター社長には、共同通信デジタル(本社・東京)の伊地知晋一専務が就任。東光電気工事(同)とピーエス三菱(同)、雪屋媚山商店(本社・美唄)が資本業務提携し、室蘭工大の媚山政良名誉教授が事業に協力する。

 雪冷熱エネルギーを利用するWDC構想は、美唄自然エネルギー研究会が2008年に提唱し、11年に共同通信デジタルが事業化について研究を開始。14年度には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発事業で、共同通信デジタルや美唄市などが委託を受けて、5年間実証実験に取り組んできた。

 事業化で共同通信デジタルが分社化し、ホワイトデータセンターを設立。雪冷熱をデータセンターの冷房に使い、サーバーからの排熱と雪冷熱を空調利用して、農産物の栽培や陸上養殖などを実施。地産地消型の再生可能エネルギーの発電事業も計画している。

 コロナ禍によるテレワーク拡大や5G普及などに加え、CO排出ゼロのデータセンターは脱炭素社会の実現を目指す国の方針なども追い風となり、需要は一層高まりそうだ。

 この日の創業発表会で、伊地知社長は「美唄市にホワイトデータセンターの一大集積地を造るほか、サーバー排熱を利用した野菜栽培などを開始する。会社として利益を上げていかねば、持続もできない」と気を引き締める。

 板東知文市長は「市民はこの発表を心から待ち望んでいた。雪国の英知を結集した最先端のビジネスモデルに育てていただきたい」と期待を込めた。

(北海道建設新聞2021年4月27日付10面より)

 北海道建設新聞2021年04月21日付1面、同26日付2面に関連記事が掲載されています。閲覧は、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。


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