加齢で弱った足腰に合わせ段差調整 「ララ」生き生きと歩き回る
札幌市円山動物園は、加齢で足腰が弱っているホッキョクグマ「ララ」の放飼場をバリアフリー化するため、場内の段差を調整する改修を進めている。16日までに4カ所を終えた。屋内で眠っていることが多かったララは、生き生きと歩き回っている。
同園を支援する道内外の企業や団体、個人でつくる、さっぽろ円山動物園サポートクラブによる寄付金を工事費に充てた。7日までに176万7500円が集まり、建設から約40年がたつ放飼場(旧世界のクマ館)内の6カ所を順次改修している。
3回に分けて改修。オリエンタル建設が担っている。初回は2020年11月9―13日に施工。屋内の放飼場と屋外の放飼場をつなぐ出入り口にあった段差にコンクリートを盛ることで狭かった足場を確保し、滑らかにした。
2回目は4月12―16日。屋外放飼場にあるメインプールの段差と寝室につながる入り口に新たな低い段差を設けた。6月には、2つあるサブ放飼場の各プールに段差を新設する。
来園者の人気を集めているララは1994年11月20日生まれの雌で、これまで8頭の子どもを産んだ。同園によると、サブ放飼場の深さ1mあるプールには段がなかったため、プールから上がることに苦労していたという。担当者は「全国のサポーターからの多大な支援があり、飼育環境を向上できた」と感謝していた。
(北海道建設新聞2021年4月28日付18面より)