コロナ影響、来期も悪化予想
道経済部は、2021年1―3月期の企業経営者意識調査結果をまとめた。新型コロナウイルス感染症の影響に関する特別調査では、売り上げ減少率を感染拡大前の「平年同期比」で聞いたところ、建設業は9%減と1月臨時調査よりも悪化していた。また、来期(4―6月)予想も11.2%減で、全産業の中で唯一、今期より悪化を見込んだ。
道は3カ月ごとに企業経営者意識調査を行っていて、併せてコロナの影響調査も実施している。道内企業900社が対象で、うち68.4%に当たる616社から回答を得た。
1―3月売り上げの平年同期比は全体で18.9%減と、前期(20年10―12月)より2.7ポイント、1月臨時調査より0.3ポイントそれぞれ悪化。特にサービス業は27.2%減、運輸業は20.4%減と減少率が著しい。建設業は9%減と減少率は小さいが、サービス業などが1月臨時調査よりも改善傾向にある中で、3.4ポイント悪化している。建設業の来期予想も今期より2.2ポイント悪化となっている。
建設業の悪化傾向について道の担当者は、理由が顕著に分かる個別意見がないため本質は不明としながら、公共事業予算が確保されていることを背景に、民間工事の減少が影響していることも想定されるとした。
1―3月期売り上げ・利益への影響は、全体では「大きく減少した」が25.8%、「多少減少した」が35.3%、「ほとんど変化はなかった」が33.8%、「増加した」が3%という結果になった。減少したという回答は61.1%で、前期より2.8ポイント、1月臨時調査より6.8ポイント増えた。
建設業を見ると「大きく減少した」が4.3%、「多少減少した」が36.2%でそれぞれ1月臨時調査より悪化。減少という回答は他業種より圧倒的に少ないが、コロナの影響がじわりと見える結果になった。
建設業経営者からは、「新型コロナウイルスで先が見えない」と悲嘆の声が寄せられたほか、「民間工事下請けの営業が、若干滞り気味」「公共工事の増加を期待している」という回答もあった。
一方、定例調査では業況感を示すBSIが、1―3月は全体でマイナス34と前期から9ポイント上昇した。建設業は5ポイント改善してマイナス11になった。
(北海道建設新聞2021年5月6日付1面より)