札幌市内は142円が中心値
4月の道内ガソリン価格は、新型コロナウイルスによる経済停滞の影響で世界的な原油相場の下落を受け、値下がり傾向を示した。札幌市内のガソリンスタンドは1㍑当たり142円が中心値で、135円前後の安値も散見される。春の大型連休中は外出自粛のほか天気も崩れそうなため、石油販売業者からは落胆の声が多く聞かれる。
資源エネルギー庁のまとめによると、4月26日現在の道内レギュラーガソリン全道平均価格は148・1円、軽油は130・8円で、どちらも4週連続で下落した。
世界的な原油相場は、インドやフィリピンで新規感染者が再拡大するなど新型コロナウイルスの影響長期化が懸念され、4月に入って続落した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国でつくる「OPECプラス」による減産緩和の警戒感もあって、9日のニューヨーク原油先物相場(5月限)は1当たり59㌦32㌣を付けた。その後は中東の地政学リスクなどから一進一退の展開で、終値は63㌦38㌣に収まった。
原油相場の下落基調を受け、石油元売り各社の特約・販売店向け卸価格は値下がりした。これを販売市場が反応し、安値量販店を中心に前月比10円近い値下げが進んだ。
札幌市内は140円台が中心だが、135円前後の価格を掲げる店舗も散見される。函館や旭川も量販店を含め130円台が目立っていて、利幅重視の地場業者と価格差が広がりつつある。
民間の価格調査会社によると、4月30日現在の道内ガソリン平均価格は142円で、最安値は函館の129円、最高値は稚内の159円となっている。
札幌市内のガソリンスタンド事業者は「コロナ禍で遠方へ外出する人が少ない上、ぐずついた天気になりそうなため、販売量は平年より期待できない」と話している。
(北海道建設新聞2021年5月6日付3面より)