警備や交通規制を本番に反映
8月に迫った東京五輪マラソン競技のテストイベントとなる北海道・札幌マラソンフェスティバル2021が札幌市内で5日に開催され、国内外のトップ選手が札幌の街を駆け抜けた。終了後に記者会見した東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森泰夫大会運営局次長は「大きな事故の報告もなく無事に開催できた」とし、「これから詳細のリポートを集めて今後の課題と対策を詰める」と話した。

8月の本番を前にテストイベントで課題把握に努めた
五輪のマラソンは、大通公園を発着地に市内中心部を変則的に3周する。テストイベントはコース前半を活用したハーフマラソンと、後半10㌔部分でレースをした。10㌔のマラソンには市民ランナーの参加を予定していたが、新型コロナウイルスが感染拡大していることからエリートランナーのみの参加となった。
国外選手や東京五輪のマラソン競技日本代表選手ら94人が参加。競技役員約300人を含む警備、ボランティアら合計約2700人がイベントを支えた。
終了後、世界陸連のセバスチャン・コー会長は「大会運営など今回視察したこと全てに満足している。全て質の高いものだった」と評価した。
組織委の森次長は「さまざまなチェックができた。これから出る課題をつぶしていく。警備や交通規制は現場の細かい情報が重要になるので反映したい」と説明。観戦自粛を呼び掛けた沿道の観客に関しては「(観客が)大変少なかったと感じている」とした。
また、同日の臨時記者会見で秋元克広札幌市長はテストイベントについて「感染対策についてもさまざまなシミュレーションを通して、テストできたという報告があった」と述べた。
組織委ではテストイベントでの課題検証を進め、8月の本番に備える。
(北海道建設新聞2021年5月7日付12面より)