イオン北海道副社長 出戸信成氏に聞く

2021年05月18日 10時00分

18日の株主総会で退任 これまでを振り返る

出戸信成副社長

 イオン北海道副社長の出戸信成氏(55)が18日の株主総会で退任する。旧札幌フードセンター創業家出身の同氏は、北海道ジャスコとフードセンターの合併でできたマックスバリュ北海道で2012年11月に社長に就任。最終期となる20年2月期には過去最高の経常利益を上げ、イオン北海道との統合に至った。退任を前にこれまでを振り返ってもらった。

 ―食品メーカー勤務を経てフードセンターに入社したのが1994年。その頃の様子は。

 フードセンターは61年の創業以来昭和を通じて発展し、90年代には札幌市内の食品スーパーとして安定した事業を続けていた。地下鉄駅に直結する店も多く中心部では強かった半面、郊外への出店は苦戦して、大きな成長はできていない状況だった。当時はまだ道内に店がなかったジャスコ(現イオン)と提携したのは私が入社する前年だ。

 ―今に至る成長軌道に乗る前、2000年代は低迷期だった。

 他社が郊外出店などで成長する中、03年度から既存店売上高が前年を下回るようになり、これが7年続いた。合併・統合もしたが効果がなく、改装も成果が出ない。社内では、人口減だから売り上げ減は仕方ないという諦めムードもあった。

 ―再起のきっかけは。

 本州で始まっていたイオングループのディスカウント業態「ザ・ビッグ」を勉強させてもらい、10年に豊平区平岸の赤字店舗で実験導入した。すると売り上げ回復の効果が明らかに現れ、これを機に社内の空気が変わった。

 この業態に加え、食品スーパーの新しい店舗開発、地方への戦略的な出店などがかみ合い始めた。12年以降は既存店も前年を上回るようになり、月次では54カ月連続のプラスも記録した。本州の有力チェーンがトップ自ら当社店舗を視察に来てくれるようにもなった。

 ―会社や事業の統合も多かった。さまざまなルーツを持つ社員を、どうまとめてきたのか。

 統合はジョイ、いちまる、ダイエーなど、数え上げると7回あった。社員が一つになるためには、会社の未来が良くなるとみんなが感じることが不可欠だ。業績が悪くて未来を描けないと社員は過去に目を向け、「あの頃は良かった」「合併すべきでなかった」と愚痴を言うようになる。

 業績低迷期は私自身も内向きで経費削減ばかりやっていた。だが事業にしても技術にしても、情報収集して良さそうなものは思い切って試し、成功しなくても知見を積み上げることで自らのノウハウが出てくる。例えば平岸のザ・ビッグは本州のモデル店よりずっと小型で前例のないパターン。今に至るまで改善を重ねながら運営している。

 ―会社が活気を取り戻しているのになぜ退任するのか。

 マックスバリュ北海道の誕生から終了まで20年間経営に関わり、一区切り付いたという思いだ。合併も無事に終え、イオン北海道の新しい中期計画もできたところで、昨年10月ごろに自ら退任を申し出た。新しい人に新しい体制でやってもらうのにいい時期と考えた。

 ―まだ50代半ば。次のプランがあるのでは。

 まだ何も決まっていない。むろん家にいるつもりはないため、いろいろな人と相談しながら、これまでの経験を生かして働くつもりだ。

(聞き手・吉村 慎司)

(北海道建設新聞2021年5月17日付2面より)


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