市と北ガスがCGS導入の有効性を実証へ
函館市と北海道ガスは、函館市の旧イギリス領事館にライトアップ用の電力を賄う天然ガスコージェネレーションシステム(CGS)を導入した。両者が2020年に締結した連携協定に基づく取り組みで、省エネや災害対策におけるCGSの有効性を実証する。

ライトアップにCGSで発電した電力の活用を始めた旧イギリス領事館
協定では、エネルギーの有効利用や災害対策、まちづくりなどで相互に協力し、市が抱える人口減少や高齢化、経済の停滞といった課題に対応することを定めている。
今回北ガスが提供したのは、燃料電池を搭載した発電継続型CGSと呼ばれる設備で、都市ガスを燃料として発電する。3月末から4月上旬にかけて施工し、13日から稼働した。
CGSでライトアップに必要な全ての電力を賄い、発電時の排熱は給湯に活用する。停電時も発電を続けて電源を確保できるという。
北ガスは、排熱の有効利用によって年間で1次エネルギー消費量を5200㌔㍗時、CO排出量を1600㌔削減できると試算。年間の発電量は約6000㌔㍗時に上り、電力網への負荷低減にも寄与すると見込んでいる。
これに加え、都市ガスのインフラを生かした災害時の発電・エネルギー供給の継続によって、強靱化の実現も図る。
函館市観光部ではライトアップする観光施設や街路灯の数が多いことから、「エネルギーを有効活用できないか以前から北ガスに相談していた」と取り組みの背景を説明。災害時の公共施設におけるエネルギー供給の在り方も探る考えだ。(函館)
(北海道建設新聞2021年5月19日付11面より)