文化庁は26日、北海道・北東北の縄文遺跡群が国際記念物遺跡会議(イコモス)から、世界遺産一覧表への「記載」が適当との勧告を受けたと発表した。これにより道内では、函館市の垣ノ島遺跡と大船遺跡、伊達市の北黄金貝塚、洞爺湖町の入江貝塚と高砂貝塚、千歳市のキウス周堤墓群が、7月にもユネスコの世界文化遺産に登録される見通しとなった。
登録されると国内23の世界遺産の中で、道内からは初めての世界文化遺産となる。世界自然遺産は2005年に知床が登録となっている。
北海道・北東北の縄文遺跡群は北海道、青森県、岩手県、秋田県の17の考古遺跡で構成される。約1万5000年前の採集、漁労、狩猟といった農耕以前の人類の生活、精神文化を示す重要な証しとして、関連自治体などが登録に向けた取り組みを進めてきた。
今回の勧告を受け、鈴木直道知事は「7月に開催される世界遺産委員会で登録決定となるよう、関係市町などと緊密に連携し、全力で取り組む」とコメントした。
工藤寿樹函館市長は「世界遺産にふさわしいと評価を受け喜ばしい。これまで10年以上にわたって支援、協力頂いた関係者に感謝する」との声を寄せた。
菊谷秀吉伊達市長は「正式決定まで引き続き気を引き締め国や4道県、関係市町と連携したい」、真屋敏春洞爺湖町長も「勧告通り世界遺産へ登録されるよう、関係自治体が連携し万全の準備を整え、実現まで全力で取り組む」と決意を示した。
山口幸太郎千歳市長は「登録に向け関係機関と連携すると同時に、キウス周堤墓群の価値と魅力を伝えていきたい」と述べた。
(北海道建設新聞2021年5月28日付4面より)