足にやさしい靴、腰痛軽減アシストスーツ…
きょうから2021年度全国安全週間に向けた準備期間が始まり、安全意識の高揚と安全活動の定着をいま一度図りたい。最近は建設業就業者の高齢化が進み、労働者への配慮も一層重要になる。生涯現役社会の実現に向け、高年齢労働者の安全衛生対策品を見る。
厚生労働省は「高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル」を用意し、シニア世代が活力を失わず能力を十分発揮できる職場づくりを勧めている。良好な生産性を保ちながら働くことが可能な職場環境・労働条件を整備してもらおうと、作業負担管理状況チェックリストを提供している。
高年齢労働者は、災害発生率が若年労働者に比べて高い。年齢階層別の年千人率(労働者1000人当たり1年間に発生する死傷者数)をみると、50歳代は30歳代の5割増、60歳以上では8割増と一層高い。筋力や敏速性、持続性、持久力などの低下で転倒災害が発生しやすく、改善策として滑りにくい作業靴を選ぶことが重要だ。
シモン(本社・東京)は、「SX3層底Fソール」搭載の安全靴を多数取りそろえる。足に優しい屈曲性があり、軽く適度な重量バランスを持つ。JIS規格の耐滑性がある。このうちWS11黒は足先が若干上向いたデザインで、階段や床面のつまずきに有効な「トウスプリング」を採用する。
腰痛リスクの軽減ではパワアシストスーツが有効だ。ATOUN(本社・奈良)の最新型パワードウェア「MODEL Y +kote」は、ワイヤを用いたフレームレスの腕アシスト機器。指先に取り付けたセンサーを使い、肩付近のモーターでパワーを調節しながらワイヤを巻き上げ、手首を引き上げることで腕をアシストする。建設や物流、農業分野で使われている。
マックスは「鉄筋結束機ツインタイア・ウォーカーモデルRB―400T―Eシリーズ」を販売する。鉄筋の結束をかがむことなく、立ち姿勢のまま作業できる機械。従来型のハンドガン型結束機のようにトリガスイッチを引かず、指への負担が無いのも特長だ。
ビ・アール(本社・江別)は、生コン打設時に高さの目安となる鉄筋への印付け作業を省力化できる「工事現場用レベルマーキング装置」を開発中だ。アルミ製の角パイプに、握り部分とマーキング装置を取り付け、ワイヤを介して鉄筋にレベル出しのマークを付ける。開発に向け試行錯誤を繰り返し、早期の実用化を目指している。
(北海道建設新聞2021年6月1日付3面より)