開発局が海藻のCO₂吸収に着目 釧路港や函館港で検討 

2021年06月08日 10時00分

数千年炭素を貯蔵する「ブルーカーボン」展開目指す

 北海道開発局は、地球温暖化の緩和策として海藻が二酸化炭素(CO₂)を吸収するブルーカーボンに着目し、道内港湾への展開を目指している。2021年度は、釧路港東港区で育成している海藻の自然環境のほか、有機物が混じっている函館港西防波堤の背後盛り土の性質を整理。それぞれでCO₂の固定量の定量化について評価、検討する。

北海道沿岸域の藻場の様子。
炭素を吸収・貯留し、温室効果ガスを削減する効果が期待される

 ブルーカーボンは、海藻や植物プランクトンの働きがきっかけとなり、海中の生態系に蓄積する炭素を指す。海底泥中に貯留されたブルーカーボンは数千年にわたって炭素を貯留。炭素の貯蔵庫としての役割が注目され始めていて、温室効果ガスとされるCO₂の削減に寄与する。

 これまでの研究では、海底には年間1億9000万―2億4000万㌧の炭素が埋没、貯留されると推定。この貯留する炭素全体の7―8割は、海洋全体の面積の1%にも満たない浅海域(海底まで光が届くエリア)で貯まるという報告がある。

 こうした研究結果を踏まえ、開発局は本道の沿岸域環境の保全・創出を目指すに当たり、CO₂削減も念頭に進める必要があると判断。本道沿岸域に生息する海藻類に関するブルーカーボンの知見は少ないため、まずは藻場での炭素固定量の算出方法の開発、効率的な藻場分布調査手法の開発に取り組む。

 関連する検討業務は公告済み。同業務ではブルーカーボンの吸収・貯留機能の定量化に向けた資料整理をする。釧路港東港区の島防波堤内側の起伏で育成する海藻を対象に、生育状況などを整理。藻場のCO₂の吸収係数を算出するための検討評価などを展開する。

 また、函館港西防波堤の背土盛り土は、浚渫土砂を再利用しているため有機物を含む。この構造や土砂性状を整理して、浚渫土を海中で有効利用した場合のCO₂の固定量の定量化方法を検討する。
 函館港と釧路港の2港で今後、炭素固定の定量化に必要となる現地調査の計画検討も進める。

(北海道建設新聞2021年6月7日付1面より)


関連キーワード: 国交省 渡島 港湾 釧路

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