深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り UR都市機構 北海道まちづくり支援事務所 門田高朋所長

2021年06月18日 10時00分

門田高朋所長

地域課題を「チャンス」に

 札幌市内の再開発が、JR札幌駅前周辺などの都心部だけでなく地下鉄南北線真駒内駅前といった郊外にも広がっている。首都圏などで数多くの市街地再開発に関わっている独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)北海道まちづくり支援事務所の門田高朋所長に都市再生の在り方などを聞いた。

 ―再開発が相次ぐ札幌市でどのようなまちづくりを。

 URは、地域の政策課題を踏まえた広域的、中長期的な視点を持って全国の都市でまちづくりを支援してきた。例えば多くのオフィスビルが更新期を迎えていた東京都の大手町1、2丁目。敷地に余裕がない上、24時間可動型の業種が多いため仮移転が困難で、建て替えが進まない問題を抱えていた。そこでURが合同庁舎跡地を取得し、ビルを建て替える「連鎖型都市再生事業」の種地として活用した。スキーム確立のための事業コーディネート、土地区画整理事業や市街地再開発事業を担った。

 札幌都心部も同様の課題を抱えているため、URの強みを生かした都市再生に地域と連携して取り組みたい。

 ―札幌駅前周辺のまちづくりを進める上で必要なことは。

 北海道新幹線札幌開業に伴い、交通インフラの再編が必要となるが、特に地下歩行ネットワークの強化は重要だ。回遊性向上や都市防災といった面からあるべき姿を考える必要がある。新幹線駅ができる北5西1・2街区は、今後整備される国道5号創成川通(都心アクセス道路)からアプローチするバスターミナル、地下鉄南北線さっぽろ駅ではホーム改良など交通利便性を高める計画が進んでいる。民間活力による効果を一層高める官民の連携が求められる。

 札幌駅周辺開発は、世界都市としての玄関口を形成して、北海道全域へと効果を波及させることが望まれる。大通地区や薄野・中島公園地区との連携、役割分担を基本に、都市全体の価値向上を目指す視点も大事だ。

 ―札幌市は地下鉄真駒内駅前のまちづくりを推進しているが。

 真駒内駅前では、札幌市により公益施設の更新を契機とした再編が進められている。人が中心の広場整備や地域の魅力活用・向上を図る機能の導入などを計画しているようだ。駅前まちづくりの効果を周辺に波及させて相乗効果を生み出し、エリア全体の魅力向上を推進するには、行政や市民をはじめ、多くの関係者が適切に連携する必要がある。URとしては、駅前の計画策定や、エリア全体の方向性検討などを支援したい。

 ―真駒内駅周辺のUR団地について、まちづくりの連動性はあるか。

 再編に合わせ、周辺にある道営住宅やUR団地も一緒に地域全体の価値を高めるため、幅広い検討が必要になるとみている。

 南区は札幌10区の中で高齢化や人口減少など課題が多い。こうした状況下で先導的なことを実施すれば、まちづくりの参考になる。課題が多いことを逆手に取って新しいことに挑戦し、多世代が住む街を目指すべきだ。

 商店街やUR団地をフィールドに高校生が地域と協働し、街の課題に取り組む活動が進められていることから、関係人口の創出につながる仕組みづくりも支援したい。

(聞き手・武山 勝宣)

 門田高朋(もんでん・たかとも)1963年8月生まれ、広島県出身。北大工学部卒業後、88年4月に住宅・都市整備公団(現UR都市機構)に入る。首都圏の市街地開発事業に携わり、2019年4月から現職。

(北海道建設新聞2021年6月17日付2面より)


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