研修、安全活動にも
日建片桐リース(本社・札幌)は、札幌市厚別区の下野幌テクノパークに全天候型の仮設資材展示場を開設した。次世代足場と先行床施工式フロア型システム吊り足場をメインに、最新の仮設資材に触れることができ、入職間もない鳶工のトレーニングセンターとしても開放する。片桐グループテクノエンジニアリングセンターに隣接するため、ゼネコンや発注者向けに座学もでき、新入社員研修・安全衛生活動の一環で活用してもらう考えだ。
片桐企業グループ・テクノパーク展示場の名称で5月末に開設した。広さは600m²ほどで、次世代足場と先行床施工式システム吊り足場をそれぞれ紹介する2ゾーンで構成する。
展示場自体が4段の次世代足場でできているため、階段を上り下りしたり敷板を歩きながら、メッシュ板や幅木など足場の細かな落下防止措置に触れることができる。周囲を防音パネルで覆うほか、簡易型上屋のADMフラットパネルで作っているため、冬の工事閑散期でも利用可能だ。
次世代足場ゾーンでは自社のダーウィンのほか、東阪工業(本社・大阪)とJFE機材フォーミング(同・千葉県松戸市)によるファステック、アルインコ(同・大阪)のアルバトロス、タカミヤ(同)のIQシステムを展示。従来型の枠組み足場も併設する。各製品に触れてもらうことで、それぞれの良さや違いを知ってもらうことが狙いだ。
このうちダーウィンは、支柱径が42・7㍉と従来型の足場より細く軽い。持ち運びの負担を軽減できるほか、クサビを起こす動作のないオンディスク方式を採用し、組み立て時の手間を大幅に軽減できるのも特長だ。1段当たりは高さ1800㍉で、ゆったりとした作業空間を設けられる。
先行床施工式フロア型システム吊り足場ゾーンでは、日綜産業(本社・東京)のクイックデッキを展示する。鋼製のほか、新製品のアルミ製軽量仕様を用意。在来の吊り足場も展示し、たわみにくさを確認したりデッキパネルを敷くなど作業体験ができる。
グループの北海道オフィス・システムなどが入居する事務所棟と隣接しているため、足場に関する労働安全衛生規則など座学で講習会を開くことができる。
ゼネコンの新入社員研修会や、全国仮設安全事業協同組合の講習会などで使ってもらえればと考えている。
利用希望者は全道各地の同社支店に相談すればよい。要望によってはグループの片桐機械やレンタコム北海道が扱う作業車や環境機器、セキュリティーカメラなどを用意してもらうこともできる。
紺田直裕課長は「実物の仮設資材に触れながら工法や特長を深く知ってもらい、現場でより安全・安心に使ってもらえれば」と話している。
(北海道建設新聞2021年6月17日付3面より)