河川整備を56%から71%に引き上げ
道は、2021年度から進める防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の達成目標をまとめた。河川、砂防、海岸、道路、農業、漁港、治山、森林の8分野に設定。河川は整備計画策定済みの延長約1500㌔の整備率を19年度の56%から71%に、道路は道が管理する道路橋のうち緊急・早期に対策を講ずべき橋梁の修繕措置率を52%から73%にそれぞれ引き上げる考えだ。
加速化対策は21年度からの5カ年で、激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速、デジタル化の推進に取り組む。
各分野の主な対策や5年後の達成目標を見ると、河川は近年の洪水被害状況を踏まえ、流下阻害や局所洗掘による洪水氾濫で著しい被害が生じる恐れがある河川の流下能力を高めるため、河道掘削や堤防、遊水地整備を実施。道路では橋梁、トンネル、道路付属物の老朽化対策を計画する。
砂防は、土砂災害が社会経済活動に与える影響を最小化し、国土強靱化を図る目的で砂防堰堤、地滑り対策施設を整備する。要対策箇所87カ所の基礎的インフラが砂防事業で保全される割合を、20年度の18%から5年後は35%までアップさせる。海岸は堤防高を確保する対策や消波施設を整備することで、津波や高潮災害に対応していない区間(延長約40㌔)の整備率を20年度の33%から64%に引き上げる。
農業で進めるのは農業水利施設の老朽化、豪雨・地震対策。早期の更新が必要となっている基幹的農業水利施設など427㌔の対策達成率を20年度の53%から向上させ、100%とする。
漁港は耐震・耐津波・耐波浪化などの対策、治山は治山施設整備・強化を図る。漁港は拠点漁港183港で地震・津波に対する主要施設の安全性が確保された漁港の割合を20年度の20%から55%に、治山は土石流などの山地災害リスクが高い山地災害危険地区382地区の整備実施率を66%から80%に向上させる。
森林は森林整備と林道の2項目に分け、間伐や林道整備・強化を展開する。目標は森林整備が土石流などの山地災害リスクが高い山地災害危険地区382地区の整備実施率80%(20年度66%)、林道は防災機能強化に向けた排水施設整備、法面保全による重要路線86路線の整備・強化実施率70%(同40%)を掲げた。
各種指標の中長期目標も示し、8項目全てが100%と設定。加速化対策によって、この目標の達成年次は前倒しされる見通しで、河川と砂防は50年度から45年度、海岸は50年度から40年度、道路は61年度から53年度、農業は27年度から25年度、漁港と治山、森林は38年度から36年度へと変更になるとみている。