子育て世帯向け戸建て賃貸を計画
5月30日投開票の標津町長選で初当選し、6月24日付で就任した。選挙戦は8年ぶりで、新人同士は58年ぶりだった。新型コロナウイルス対策として抗体検査の実施、子育て世帯向け戸建て賃貸住宅の整備を計画。老朽化した小中学校の統合の必要性も指摘する。首長としての抱負を聞いた。(釧路支社・堀内 翼)

山口将悟標津町長
―町長選を終えて。
大変なこともあったが、出馬して良かった。(選挙を通じ)役場の外から町を見ることができた。投票率は83.88%と注目度が高く、大人だけでなく小・中学生も関心を持ってくれていた。ただ、政策が町民に浸透していない課題もうかがえた。情報の発信方法に工夫が必要と感じる。
―就任の抱負を。
人口減少対策や子育て世帯への支援などやるべきことは多いが、できることから始める。町長選で、あらためてSNSの浸透を認識した。若い世代だけでなく50―60代の人もインスタグラムを見てくれていた。多くの人に標津町を知ってもらいたい。
―新型コロナウイルスへの対応は。
高齢者施設でクラスターが発生したことを受け、5月11日に独自に緊急事態宣言を発表。公共施設を休館し、飲食店へ時短営業要請をした。以前より久留米大から医師が派遣されているので、ワクチンがあれば打てる体制にある。
抗体検査を年内に導入する。制度設計や予算措置はこれからだが、回数は、1人につき1回を想定している。
―社会資本整備について。
子育て世帯向け戸建て賃貸住宅の整備で、定住につながればと考えている。隣町の中標津町を見ても、戸建て賃貸住宅は需要がある。民間の力を借りながら推進する。
災害に備え、農家の断水対策も必要。酪農ヘルパーの充実を含め、2022―26年度を期間とする農業振興計画に盛り込む。農業機械の大型化により、多くの町道で損傷が確認されている。拡幅などにも対策に取り組んでいく。
小中学校や体育館、プールの老朽化が進んでいる。小中学校は、児童・生徒数が減少していて、統合も選択肢に入れながら、効率的な整備が必要となる。
山口将悟(やまぐち・しょうご)1959年9月16日生まれ。町川北出身で、実家は酪農を営んでいた。中標津高卒業後、78年に役場入り。総務課長、農林水産課長を経て、17年7月に副町長に就任。