18年半ば水準に ウッドショックへの影響は不透明
木材価格の国際的な急騰「ウッドショック」の震源地とされる米国で、一転して価格暴落が起きている。ナスダック先物市場では5月に史上最高値を付けてから2カ月強で約7割下落。直近は2018年半ばの水準で推移している。長引くコロナ禍で住宅建築ブームが高まったものの、資材コストの上がり過ぎで需要が陰り、これまで流入した投機マネーが離れている可能性がある。
16日の材木取引終値は2・36m³当たり536・4㌦。5月10日の取引時間中に1年前の4倍強に当たる1733・5㌦を記録したが、その後じわじわと値を下げ、6月半ばに終値が1000㌦を割った。先週は755㌦で取引が始まり、週末までに3割近く下落した。
商品先物は今後の相場上昇・下落の見込み次第で取引価格が大きく動き、投機マネーが多く参入する。相場高騰の背景にあったのは米国の住宅着工増加だが、5月の着工数が市場予想を下回ったこと、住宅ローンの申請件数が減少傾向にあることなどから先高観が薄まった模様だ。
ただ材木の先物はここ数十年200―400㌦台で安定している時期が長く、今の500㌦台でも依然水準は高い。米商務省は日本時間20日夜に6月の住宅着工件数などを発表する予定で、この結果次第ではさらに価格が下がる可能性もある。今後の値動き、またそれが日本国内の「ウッドショック」にどう影響するか、不透明な情勢が続いている。
(北海道建設新聞2021年7月20日付2面より)