鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線建設局は、北海道新幹線札幌延伸に伴う札幌市内都心部の明かり部分に今秋にも着工する見通しだ。北8条西12丁目から北6条西5丁目までの区間が対象。札幌桑園停車場緑道線・北6条線と並行して新幹線構造物を配置する。2027年秋ごろの完成を目指している。
同機構が16―21日で開いている道新幹線札幌都心部工事の住民説明会で明らかにした。
都心部区間は札樽トンネル到達立て坑付近の北8条西12丁目から北6条西5丁目までの約1・1㌔で、主に3区間に分けて整備概要を示した。
到達立て坑から石山通の区間は開削工法でトンネルを構築する。鉄工団地通から石山通区間の緑道線は整備後、現況幅員で復旧。道路復旧期間を除き工期は21年秋から27年秋を予定している。
札幌桑園停車場緑道線の石山通から西7丁目線までの区間は、石山通―西8丁目線間が地上部ボックスカルバート(内空断面高さ約8m、幅約10m)、西8丁目線―西7丁目線間が地上部補強盛り土構造で計画。緑道線は整備後、幅員約4mの歩行者専用道で復旧する見通しだ。工期は道路復旧期間を除き22年冬から27年春までを予定する。
西7丁目線から西5丁目線までの北6条線は、地上部高架橋構造とした。新幹線整備に伴い北6条線の道路幅員が狭くなるため、西6丁目の車両通行止めや西5丁目の車両一方通行化を検討。工期は22年冬から27年春までを想定している。
また、西9丁目中線と西8丁目線は新幹線構造物が平面交差するため、完成後も通り抜けできなくなる。西7丁目線は新幹線が高架構造で交差するが必要な高さが確保できないため、路面を最大40cm切り下げる盤下げ工事を施す。
西9丁目中線と西8丁目線の歩車道の代替経路に関し、アンダーパス案やオーバーパス案を検討したが、周辺への影響が非常に大きいことなどを理由に整備は難しいとした。
このほか、今後の検討事項として緑道線の復旧や自転車対策、エルムの里公園の改修計画などを挙げた。鉄工団地通から石山通区間について今後工事説明会を開き、秋にも着工することを検討。都市計画変更に向けた手続きに、10月にも着手することを視野に調整している。道路復旧の整備主体は検討を進めている。
鉄工団地通から西8丁目線区間については、機構が北海道新幹線札樽トンネル桑園ほかとして発注済みで、大成建設・伊藤組土建・札建工業・豊松吉工業共同体が落札した。
(北海道建設新聞2021年7月20日付12面より)