産廃収集や資材リースをネットで注文 丸喜運輸が運用

2021年07月29日 15時00分

24時間いつでもどこでも

 丸喜運輸(本社・札幌)は、産業廃棄物処理や仮設資材リース、トラック輸送の発注システム「まーる(MaRu)」の運用を始めた。顧客はパソコンやスマートフォンから24時間いつでも場所や日時、数量などを指定して発注できる。10社程度が利用していて、今後数年かけて顧客全体での活用を促す。

PCやスマホ、タブレットから廃棄物収集などを常時発注できる

 同社は産業廃棄物収集・中間処理や足場などの仮設資材リース、これらの関連輸送を主な業務とする。札幌近郊を中心に1日100件以上の注文があるという。ユニック車を中心に70台の車両や機械を保有し、産廃分別の中間処分場と最終処分場を運営。従業員数は約110人、年間売上高は12億円だ。

 まーる導入の狙いの一つは顧客の利便性向上だ。PCやスマホから専用ページにアクセスし、産廃収集や資材注文などメニューを選ぶ。日時や場所、現場名、廃棄物の重さなどを入力すれば完了だ。完了後は内容確認メールが届くため、電話やファクスで起こりがちな伝達ミスや、顧客からの確認電話などが減ると見込む。会社ごとにログインし、全社の注文履歴を見られるため、複数の担当者らによる二重手配を防げる。

 また、受注業務の効率化という狙いもある。全事業の注文を電話やファクス、電子メールで受けることから、1日に数十件処理する各担当者は、労働時間が長くなる傾向にある。「前日や当日の緊急オーダーは別として、受注業務全般をまーるで受けて業務時間短縮を図りたい」(三上敬統括部長)とする。

 目標としては2023年3月までに7割、最終的には建設業に時間外労働の上限規制が適用され始める24年4月までに9割の注文をまーるで受けたい考えだ。

 大塚商会に開発を依頼して昨年7月からプロジェクトを進め、今月から運用開始。「タクシー配車アプリのような仕組みを実現できないか」という工藤賢一社長の発想がきっかけだ。工藤社長はシステムの利便性だけでなく、業務データ収集が容易になるなどの恩恵にも期待を示す。受注件数や物量、曜日などのデータを分析し、経営計画に生かしたいという。

車両の現在地や状態を地図に表示するシステムは14年に導入した

 一方、建設関連の企業は車両や重機など設備投資には熱心だが、デジタル活用に消極的とも指摘。産業界のDX加速を前に危機感を抱き、「業務効率化を通じて建設業の生産性向上に寄与したい」と意欲を見せる。

(北海道建設新聞2021年7月28日付3面より)


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