乙部町館浦国道229号岩盤崩落から2カ月 開通めど立たず

2021年08月10日 10時00分

 乙部町館浦の国道229号で発生した岩盤崩落災害から6日で2カ月がたった。依然として開通のめどは立っておらず、函館開建では対策の検討を急ぐ。安全性の確保を第一に、工期と工費の観点から妥当な対策を練る考えだ。町民は一日も早い通行再開を望んでいて、その声にどう応えるか、正念場を迎えている。(函館支社・鳴海 太輔記者)

被災現場手前、館の岬トンネルの江差側坑口。
通行止めの表示がいつ消えるのか町民の不安は募る(6月28日撮影)

 江差・乙部方面と八雲町熊石、今金、せたな方面を結ぶ同路線は2015年度の全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)によると、1日当たり2383台の車両が通行していた。

 バスで病院や買い物に行く高齢者をはじめ、通勤などで迂回路を通行する町民も多く、迂回路の使用が長期化する中、地元住民の間では不安の声が高まっている。災害発生前と比べ、往復で30分程度余計に時間がかかる。

 また、迂回路周辺は農業地帯で、災害発生前までは一度も通ったことがないという人がほとんど。「カーブが多く照明施設がないため夜は暗い。交通事故だけでなく、クマやシカなどの野生動物に遭遇する危険もあるため、女性は特に恐怖を感じるのでは」とある町民は話す。

 乙部町も「片側通行でも良いので一日でも早い再開を」と求める。救急車などの緊急車両の通行や、鮮度保持が求められる海産物の輸送にも影響が出ている。

 日が短くなり雪も降り始める秋―冬にかけても迂回路の使用を続けるとなれば、照明施設の整備や道路の拡幅といった対策も不可欠。迂回路には町道だけでなく道道も含まれていて、国、道、町が一体となった検討が必要だろう。

 函館開建では3日に札幌市内で229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会の第2回会合を開催した。崩壊した箇所の向かって左の隣接部で、開口した新たな亀裂を確認したことを報告した。崩壊となれば土石量は今回の災害と同程度以上の約5000m³に及ぶという見解を示した。

 これを踏まえ、被災現場の応急対策として当初からプランの一つに挙げていた、土堤の整備と海側への仮道の配置については、さらに崩落が発生した場合に落石が土堤を乗り越える可能性が浮上。新たなプランを探る必要性が出てきた。交通再開へは長く険しい道のりが予想される。

(北海道建設新聞2021年8月6日付1面より)


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