道路へ土砂や滝の水流出
台風9号から変わった温帯低気圧の影響で、道南地域では降水量が増加し、災害も発生した。道道函館恵山線では土砂流出、国道278号では道路の冠水に見舞われている。
函館市内では、9日の降り始めから10日午後4時までの降水量は、旧4町村地域の戸井泊町で304㍉、川汲町で207㍉を記録。旧市部でも同未明から猛烈な風雨に襲われた。
道道函館恵山線では日浦1号トンネルの函館側坑口付近で、沢に堆積していた土砂や砂利が道路に流出。道路に積もった土砂は延長10m、幅2mに及んだ。
函館建管では、沢からまだ水が流入していることから、市豊浦町―日浦町間1・5㌔区間を通行止めにしている。10日午後5時現在、規制解除の見通しは立っていない。
国道278号では、道路の滞水・冠水が発生し、函館開建は古部町―木直町間1・6㌔を通行止めにした。古部町の獅子鼻覆道付近にある白糸の滝から土砂や流木が、滝の水を海へ流すための横断管や桝に流入し、オーバーフローしたことが原因とみられる。
現地では一帯の維持を担う川村組土建(本社・函館)が排水作業の準備を進めている。流木や土砂の除去は天候の回復を待つ必要があることから、こちらも規制解除のめどは立たない状況だ。
今回の低気圧の影響で、渡島管内では森町の道道霞台森停車場線霞台―霞台(霞台第2ゲート)間8・4㌔、函館市の道道函館南茅部線鉄山―川汲間14㌔と、函館恵山線庵原町―川上町間18・5㌔、道道蛾眉野原木線蛾眉野―原木間10・8㌔を、冠水や土砂崩れの恐れがあるとして通行止め(10日午後5時現在)にした。
このほか、上川町・北見市の国道39号と広尾町の国道336号、壮瞥町の国道453号が通行止め、道道は十勝管内6路線、胆振管内の5路線、釧路管内4路線、オホーツク管内3路線、後志管内、石狩管内、宗谷管内、根室管内、上川管内の各1路線が土砂崩れや落石、越波の恐れなどで一時通行止め(10日午後5時現在)となった。
(北海道建設新聞2021年8月11日付4面より)