北の縄文遺跡群世界文化遺産登録 保存と活用への道

 北海道・北東北の縄文遺跡群が7月27日に世界文化遺産として登録されて2週間余りがたった。構成資産がある自治体を中心に祝賀ムードが続いているが、これがゴールではなく、遺跡の保全はもとより、観光の促進に向けた環境整備、案内する担い手の育成など、やるべきことは多い。新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えられるかも焦点だ。今回の決定をどうまちづくりに生かすか、関係者の手腕が問われている。(2回連載します)

北の縄文遺跡群世界文化遺産登録 保存と活用への道(上)千歳市キウス周堤墓群環境整備へ

2021年08月13日 15時00分

新施設で遺跡の価値発信

 縄文遺跡群は道内6遺跡、青森県内8遺跡、岩手県内1遺跡、秋田県内2遺跡の計17遺跡で構成する。道内の6遺跡は函館市の垣ノ島・大船の2遺跡、伊達市の北黄金貝塚、洞爺湖町の入江・高砂貝塚の2遺跡、千歳市のキウス周堤墓群という内訳だ。これ以外に関連資産として森町の鷲ノ木遺跡も名を連ねている。

 道内の6遺跡で、まず課題に挙げられるのは遺跡本体の保全と、来訪者の受け入れに向けた環境整備の両立だ。

 千歳市は2020年度、中央地区の道東自動車道・千歳東ICの近くに広がるキウス周堤墓群保存活用計画を策定した。約3200年前の縄文後期にドーナツ状の土堤の内側に複数の墓地を形作った墓群だ。

 出土品や復元模型などは現在、約6㌔離れた埋蔵文化センターに収蔵されている。周堤墓群の駐車場には仮設のガイダンス施設があるが、遺跡の価値をより理解してもらうためにも、周堤墓群隣接地に新ガイダンス施設建設を目指している。

駐車場に設置している仮設ガイダンス施設。
新施設には拠点機能が求められる

 他の観光資源と組み合わせた観光ルートも検討している。長時間滞在してもらい、千歳の特産品など地元の魅力も発信しようという試みだ。

 増える来場者に対応するため、園路整備の優先順位は高く重要な位置を占める。しかし現在は見学ルートにウッドチップを敷いていて、歩きやすいとは言えず、一方で必要以上の整備は保存に影響を与える。年内にまとめるキウス周堤墓群整備基本計画で整備の方向性を示す考えだ。

 市の担当者は「他の施設では復元したレプリカがあるが、キウス周堤墓群の価値は遺跡そのものがあること。これをどのように見てもらうか検討しなければならない」と話している。

(北海道建設新聞2021年8月11日付1面より)


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