上士幌町は11日、山村開発センターで物流ドローンの社会実装に向けた包括連携協定を締結した。全国初となるドローン配送と陸上輸送を融合したスマート物流を導入し、町内の利便性向上を狙う。10月上旬から実証実験に乗り出し、最終的に通年での物流ドローンを用いた個宅への配送を目指す。

竹中町長(左から2番目)など4者が連携協定した
上士幌町、セイノーホールディングス(本社・岐阜)、電通(本社・東京)、エアロネクスト(本社・同)の4者が調印した。将来的にドローンのオペレーション業務をkarch(同・上士幌)が担うなど地元事業者と連携し、交通ネットワークを構築。地域の雇用創出や農村地区に住む高齢者の買い物に役立てる。
共同配送や貨客混載など宅配の一手段として専用ドローンを飛ばし、個宅の最寄りに届ける仕組みだ。9月に数日間の実証実験を行う。10月から上音更など農村地区で住宅への配送を始める。荷物を一時的に保管するドローンデポは、廃校など使われていない町有施設をリニューアルして設置。複数のドローンを導入する場合は物流施設の新設も検討する。
竹中貢町長は「単なる実証実験で終わらせず、上士幌町から全国にスマート物流を広めたい」と期待を寄せ、エアロネクストの田路圭輔CEOは「社会実装に向けて実証実験を進め、2023年をドローン配送元年にしたい」と意気込んだ。
(北海道建設新聞2021年8月12日付1面より)