鉄のまちから技術発信

 製鉄、製鋼を中心とする室蘭港の産業基盤は、高度な技術力や研究開発力を持つ中小の製造業、建設業を集積させた。デジタル化の波など企業を取り巻く環境が変化する中、各社は技術開発や人材育成に積極的だ。室蘭テクノセンターは「ものづくり創出支援」や「デジタルトランスフォーメーション推進支援」でそれらの挑戦を資金面から後押ししている。

 各社の取り組みを紹介する。(室蘭支局 星野 貴俊記者)

鉄のまちから技術発信(4)設計協力.com 作図のスピード上げ顧客満足度高める

2021年08月26日 12時00分

 建築設計の図面作製と積算の手伝いを個人で手掛ける建築土木サービス業。北大など国立大学法人の設計、積算部署で経験を積んだ鯉江勇輝代表が2019年に創業した。登別市内に事務所を置き、クラウドソーシングで全国の設計事務所、建築会社から受注している。

図面作製などで業界を支援している鯉江代表

 ものづくり創出支援「人材育成支援事業(人材教育・研修)」で取り組むのは建築作図・積算技能向上のための研修。自身のスキルアップに向け、オートCADと積算のオンラインレッスンを受講する。

 鯉江代表は「作図のスピードを上げ顧客満足度を高めたい。設計者の意図を正確に伝えられるようになるし、建設会社が見積もりの時間を多く取れれば残業が減り、労働環境の改善にもつながるのではないか。建築積算士の資格を持っているが、成果品の質を上げるため基本から学び直したい。正確な工事費を積算することは受発注者双方に利点がある」と話す。

 コロナ禍で4つの変化があった。1つ目としてテレワークの加速で各社の商圏の壁がなくなり、2つ目として先行きが不透明で人を雇えない企業からの問い合わせが増えた。3つ目は依頼される建物が商業施設や事務所から医療施設や住宅、庁舎などに変化。4つ目は民間の施主が発注を控えているためか、景気に左右されない官公庁の仕事の割合が増えたことだ。

 「依頼をしてくる企業は、いずれも業務が集中し、外注先や協力事務所を探している状況。特に設備の技術者が不足している。今は建築だけだが、将来的には設備の積算もできるようにしたい」との目標を掲げる。

 岐阜県多治見市出身の29歳。大学進学で初めて訪れた北海道の環境の良さにほれ込み、就職を決意。特に登別は雪が少なく、豊かな自然や温泉があり、札幌から離れすぎていないところが住みやすいという。

 地元企業としての思いも芽生えつつある。「室蘭の企業から仕事を受けることもあり、自分が携わった建物を見るとうれしい。大好きなまちなので、これからもこの地域の建築に関わりたい」

(北海道建設新聞2021年8月5日付13面より)


鉄のまちから技術発信 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • オノデラ
  • web企画
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,805)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,481)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,812)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,977)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,875)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 行政書士 new
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第31回「特に需要が増える繁忙期」。情勢を把握して適切な宣伝を行うと、新規顧客獲得につながるかもしれません。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。