鉄のまちから技術発信

 製鉄、製鋼を中心とする室蘭港の産業基盤は、高度な技術力や研究開発力を持つ中小の製造業、建設業を集積させた。デジタル化の波など企業を取り巻く環境が変化する中、各社は技術開発や人材育成に積極的だ。室蘭テクノセンターは「ものづくり創出支援」や「デジタルトランスフォーメーション推進支援」でそれらの挑戦を資金面から後押ししている。

 各社の取り組みを紹介する。(室蘭支局 星野 貴俊記者)

鉄のまちから技術発信(6)フジ美建工業 塗装工程一部自動化、労働力の削減へ

2021年08月28日 12時00分

 1991年に創業し、塗装工事と防水工事を主力とする。主な取引先は日本製鋼所M&E、楢崎製作所、日本製鉄関連会社。社屋に隣接する塗装工場は、通年施工が可能なブラスト室や塗装室といった、大型鋼構造物や橋梁に対応できる道内有数の設備を備える。室蘭市と伊達市の塗装、防水工事も受注している。

 デジタルトランスフォーメーション推進支援「先端技術導入診断」で取り組むのは、労働力削減に向けたロボットの検討。塗装工場での作業の一部自動化を目指している。道内のコンサル業者、本州のロボット製作会社と打ち合わせを進めている。

道内有数の設備を誇る工場内で、今後の展望を示す天海社長

 事業を指揮する天海康司社長は「当社が持つノウハウをロボットに入れる。品質や安全、施工性が良くなるため工程管理も向上する。塗料の硬化不良がなく、外観の仕上がりが美しい、付加価値を付けた成果品を提供することで、顧客の期待に応えたい」と話す。

 今回は仕様の決定までを進めるが、コンサル業者からはこれまでの産業ロボットにない新しいものになると言われた。専門性が高い塗装技術だけに、事業は同社にとっても大きな挑戦だ。

 ロボットが完成すれば、労働力の削減以外にもさまざまな効果が生まれる。これまで産業廃棄物として処理していた使い切れずに残す塗料の量も減り、脱炭素にも貢献できる。

 ロボット開発と並行し、良い人材を得られる環境づくりも進める。「技術は人が扱うもの。高齢化が進む中、若い人材を育てていかなければならないし、地域の人口が減れば商圏も小さくなる。その中で売り上げを伸ばせるかどうかは人材次第」

 従業員数は40人で、ベトナム人の技能実習生が2人いる。2019年に初めて女性従業員を迎え、工場は明るくなった。今後は女性の数も増やす考えだ。

 ことし創業30年を迎え「室蘭は先代が経営基盤を築いた場所。仕事をさせてもらっていることに感謝し、今後も地元に貢献したい」と意気込む。(おわり)

(北海道建設新聞2021年8月10日付11面より)


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