京セラコミュニケーションシステム
京セラコミュニケーションシステム(KCCS、本社・京都)は8月30日、石狩湾新港地域で無人自動配送ロボットの実証実験をした。自動運転で車道をスタート地点からコンビニまで移動し、荷物を受け取って次の仕向け先まで運んだ。同社によると、無人の自動配送ロボットが車道を走行する試験は国内初だという。
8月16日から、無人自動配送ロボットによる工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を始めた。電動4輪車両の無人ロボットが公道を走り、小売店の商品や企業間の貨物などを配送する。
ロボットの車高は一般の成人男性よりも少し低い程度。異なる大きさのロッカー計20個を搭載し、カメラを前方や側面などに備える。
実証実験では、ロボットが自動運転でスタート地点からセイコーマート新港西店まで移動。セコマ(本社・札幌)の社員がスマートフォンのアプリを操作して本体側面に設置されたロッカーを開け、ペットボトル飲料などを預けた。ロボットは店を出発し、再び公道の左車線を走って目的地まで荷物を届けた。同日の実験では計5㌔ほどを走行した。
前後に関係者の自動車などが付いて安全を確保した。担当者によると平均走行速度は時速10㌔ほどだ。技術的には可能だが安全を考慮し、路上駐車をよけるときや駐車場では遠隔操作を併用した。
アプリではロッカーの解錠だけでなく、ロボットの到着した場所や時刻、現在位置などを確認できる。
KCCSの担当者は「今日の成功も含めて実証は順調に進んでいる」と手応えを口にする。実証実験は中旬まで続ける予定だ。平日はおおむね毎日走るという。
(北海道建設新聞2021年9月1日付3面より)