真っ白いソバの花畑に囲まれ、松前神楽の舞を楽しむ「千軒そばの花鑑賞会」が8月29日、福島町千軒で開かれた。悪魔退散の意味がある獅子舞でコロナ禍の収束と、八乙女舞などで五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
ことしで19回目。松前神楽は国の重要無形民俗文化財で、例年は200人以上集客する行事だが、新型コロナウイルスまん延による緊急事態宣言下で一般客の立ち入りを制限。報道や町役場関係者ら参加を30人にとどめた。
主催は千軒地域活性化実行委員会と千軒そば生産会(ともに佐藤孝男会長)。中塚建設(本社・福島)が会の運営などに協力した。
佐藤会長は「コロナが1日でも早く収束し、ソバが多く採れるよう願ってゆっくり鑑賞を」とあいさつ。福島町の鳴海清春町長は「松前神楽でしっかりと町民の健康を守っていただきたい」と期待を寄せた。
3・5haある広大なソバ畑に設けられた舞台で6座を奏上した。演目は神楽初(ぞめ)、福田舞、庭散米舞(にわさごまい)、八乙女舞、翁舞、獅子舞。白衣(はくえ)に緋袴(ひばかま)をまとった、巫女(みこ)姿の福島中3年生2人が幻想的な八乙女舞を披露した。
一演目終わる度に参加者からは、出来栄えを褒める「良くて候」から転じた町独自の掛け声「ようそろー」と声が掛かっていた。(函館)
(北海道建設新聞2021年9月1日付11面より)