中心商業地魅力向上へ 年内にも計画決定
札幌市は、中心商業地ならではの路面の魅力と価値を高め、特徴的な都市空間を創出することを目標に「大通Tゾーン札幌駅前通地区」の地区計画を決定する方針だ。年内の告示を目指し、11月開催予定の都市計画審議会で計画案を諮問する。建築物の整備に関し「まちのリビング」を配置するなど、都心のまちづくりに資する取り組みなどをした場合、容積率の最高限度を1200%まで引き上げる考えだ。
大通Tゾーン札幌駅前通地区は、中央区大通西3丁目、南1、2条西3、4丁目の各一部、面積2・9㌶が対象となる。
2015年に策定した「大通中心街まちづくり指針」を踏まえ、施設の建て替えや大規模修繕などの際に、地区として共有すべきまちづくりの考え方を示した「Tゾーン駅前通沿道地区まちづくりガイドライン」を地権者らが19年に策定。このガイドラインを実現する手段の一つとして、市が地区計画決定をする。
計画案では、中心商業地ならではの路面の魅力と価値を高め、特徴的な都市空間を創出することを目標に設定した。
土地利用方針には、誰もが自由に利用し快適に滞在できる共有空間「まちのリビング」の創出、札幌駅前通、大通、南1条通に面する建築物の低層階への歩行者が気軽に利用できる機能の配置、札幌駅前通地下歩道などとの接続空間や歩行者動線の充実で一体的な地下ネットワーク形成などを定めている。
地区整備計画を見ると、対象は計画区域内の道路などを除く面積1・9㌶。
建築物の容積率の最高限度は現状800%だが、札幌駅前通、大通、南1条通に面し、1、2階にまちのリビングを配置してにぎわいを感じられる街並み形成に寄与するなど複数の条件を全て満たす場合には、1200%に引き上げる。
建ぺい率の最高限度は80%。建築物などの高さの最高限度は60㍍で、これを超える部分について、セットバックなど一定の条件を満たした場合は100㍍とする。
これら計画案を13日開催予定の都市計画審議会で事前説明する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を鑑み中止した。
11月の都計審で諮問し、順調に行けば年内にも計画決定の告示となる見通しだ。
(北海道建設新聞2021年9月14日付10面より)