羅臼漁港に74億円 屋根付き岸壁新設など機能向上へ

2021年09月29日 15時00分

釧路開建の羅臼地区 10カ年の事業計画

 釧路開建が所管する羅臼町の特定漁港漁場整備羅臼地区の事業計画が明らかになった。計画期間は2022―31年の10カ年で、事業費は74億1900万円を試算。屋根付き岸壁新設や泊地浚渫などで物流機能を向上する。突堤や波除堤整備、道路液状化対策などにも取り組み、災害に強い漁港整備を推進する。

 水産庁が事前評価で了解した。第4種漁港の羅臼漁港は知床半島の東部に位置し、北方四島水域を含む漁場で操業する刺し網、サケ定置網の流通拠点となっている。

 近年は地球温暖化の影響で、サケ定置網に暖水性魚種のブリが混獲される。港内中央の第2荷さばき所でブリを陸揚げするが、屋根付き岸壁が不足しているため、野天で網外しや陸揚げをしている。砂塵や鳥類のふんから守るためにも屋根施設や泊地を整備する。

 また、荒天時の避難漁港、災害時の海上輸送を支える防災拠点、羅臼海上保安署の巡視船艇の母港としての役割を担っている。安全に係留できる岸壁の延長が不足していることや、港内静穏度の悪化で緊急避難要請に十分に対応できない状況のため、岸壁や突堤、波除堤整備の必要性が高まった。

 屋根施設は中央埠頭北側にあるマイナス4m岸壁230mを整備。事業費は14億1000万円を想定する。西埠頭側のマイナス3・5m岸壁では204・2mに17億7700万円を投じる計画だ。

 第2港区の泊地は水深3m程度あるが、サケ定置船の係留には3・5m以上の水深を要するため、4139m²をマイナス3・5mに浚渫する。事業費は4500万円を試算する。

 突堤は30m、波除堤は50mで、幅はいずれも10m前後になる見込み。両施設ともに水深10mを超える位置で整備する計画のため、コスト面からもケーソンでの施工が想定される。突堤の事業費は7億7900万円、波除堤は5億4100万円となっている。

 西埠頭では、防波護岸220mに9億9000万円、マイナス3・5m岸壁173mに1億2900万円を投入。西防波堤は防波護岸165mに3700万円、マイナス4・5m岸壁150mに6億7000万円を投じて、係留状況の改善を目指す。第3港区は5900万円を充当し、船揚場を65mにわたって改良する。

 港内道路耐震対策の延長は741mで、液状化を防ぐために路盤の置き換えなどの工法を採用するもよう。事業費は2億5700万円を投じる方向。第3・4荷さばき所付近の用地5469・2m²は舗装などを施して砂塵などの飛来を防ぐ計画で、1億100万円を充てる。

 漁獲される魚種が変化しつつある中で、水揚げ作業や衛生面などの対応を進める。港内の安全性向上や、漁業活動の効率化も図ることで、災害に強い地域の拠点港として期待が高まる。

(北海道建設新聞2021年9月28日付9面より)


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