土木学会(谷口博昭会長)は28日、2021年度選奨土木遺産を発表した。全国の土木構造物25施設が選ばれ、道内からは上士幌町にある糠平ダムと札幌、北広島、恵庭、千歳を貫く弾丸道路(札幌・千歳間道路)が選定。道内での認定はこれで計48カ所となる。
土木遺産の認定制度は、インフラとしての社会的意義や文化的な価値、当時の技術者の先見性や使命感を広く社会にアピールするため2000年度に創設。交通、防災、農林水産業、エネルギー、衛生、産業、軍事などの用途で整備された土木関連施設で竣工後50年を経過したものを対象としている。
糠平ダムは1956年の竣工。当時最高水準だった国産大型機械の採用や前例のない蒸気養生により、寒地での短期施工を実現。道内の電力安定を支える重力式ダムだ。
国道36号の札幌―千歳間(34・5㌔)をつなぐ弾丸道路は53年に完成した。積雪寒冷地や自動車の高速走行に向けて先駆的な設計基準を導入し、北海道に限らず全国の道路改良の指標となった。
(北海道建設新聞2021年9月29日付4面より)