岩見沢市スマートアグリシティコンソーシアム
岩見沢市や北大などで構成する岩見沢市スマートアグリシティコンソーシアムは5日、岩見沢市内などで無人走行トラクターの一括制御や遠隔操縦の実証実験を実施した。無人走行トラクターの複数稼働や一括制御は国内初となる。
同コンソーシアムは2019年度に岩見沢市、北大、NTT、NTT東日本、NTTドコモを構成員として設立。高齢化や担い手の減少などにより農業の労働力不足が進む中、生産維持・拡大のためスマート農業技術の高度化実証を進めてきた。今回の実験で用いた技術では、1人で複数台の監視が可能になり、作業効率が向上する。GPSが不安定な地点や障害物があった際にも、現地に向かうことなく対処できる。
今回の実験は、関係者約80人が見学。岩見沢市新産業支援センターから約40㌔離れた北大構内農場に無人走行トラクター2台、約7㌔離れた岩見沢市内のほ場2カ所に各1台の計4台を配置。同センターの遠隔監視制御室で、車体に取り付けられたカメラからの映像を通して、複数農機を一括制御した。
防風林などの影響でGPSが不安定な地点や、障害物が農道上にある場合での遠隔操縦も実演した。
今回の実証実験は一定の成果を収めたものの、北大大学院農学研究院の野口伸教授は「まだまだ技術の成熟には至っていない」と課題を語った。(岩見沢)
(北海道建設新聞2021年10月7日付10面より)