行政書士池田玲菜の見た世界

 アンパサンド行政書士事務所の池田玲菜代表が、行政書士の視点から連載するコラム。(北海道建設新聞本紙3面で、毎月第1木曜日に掲載しています)

行政書士池田玲菜の見た世界(12)マーケティングの観点

2021年10月08日 09時00分

新商品、既存との差別化を

 よい商品、よいサービスを作り上げたとしても、そこに市場がなければ、商売は成り立ちません。エコ、SDGs、デジタルなどといった時代を捉えた言葉は多様にありますが、それ以前に商品そのものを必要とする人がいなければ、買ってもらうことはできません。

 コロナ禍において、新たな事業を始める必要性を感じている方は多くいらっしゃいます。コロナ以前から、社会は変革の中にあり、コロナ禍によってそれが加速しているようにも感じます。しかし、そのときにマーケティング視点が明確に確立できていないことがあります。

 新規事業を行いたく、補助金を受給したいというご相談をよく承ります。新しい商品はどのようなものか、それをどのように作ろうと思うのかについては、多くを語っていただけます。一方で、どのような人に対して、どのように販売していくのかについては、途端に口数が少なくなることも間々あることです。よい商品を作るのだから売れるのだという言葉は、第三者に対しては説得力がありません。

 商品、サービスを販売する方法を考える際に必要なことの一つ目は、類似する既存の商品やサービスがどのようなものかを把握することです。そして、もう一つが、自社の新たな商品やサービスが既存のものとどのように異なるのかを明確にすることです。

 将来の競合相手がどのような戦略で商品やサービスを販売しているのかをつぶさに研究します。誰に売ろうとしているのか、いくらで売っているのかといった個別具体的な販売戦略を検討するほかに、市場規模はどのくらいの大きさであり、どのような企業がその市場に参入しているのかといった抽象的な事柄までを調査します。

 そのようにして、既存事業者がどのように経営をしているのかを把握した後に、自社商品の差別化方法を検討します。競合調査の結果、需要はあるにも関わらず既存商品が存在しないことが分かれば、買いたい人に届ける方法を検討すれば足ります。しかし、多くの場合は既存商品が存在します。その場合は、自社の新規事業が既存商品とどのように違うのかを分析し、その違いによって、どのような顧客を得ることができるのか、それをどのように顧客に見せればよいのかを吟味します。もし差別化ができないのであれば、差別化が可能となるように商品を再構築することも考えられます。

 差別化が実現でき、優位性を見いだすことができれば、優位性に応じた販売価格の上昇を見込むことができます。既存商品より価値が増加した分だけ価格も増加し、ひいては売り上げも増加します。

 マーケティングの観点を身に付けることで、価格競争に陥らない商品力を身に付けることができると思うのです。

(北海道建設新聞2021年10月7日付3面より)


行政書士池田玲菜の見た世界 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 古垣建設
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,128)
BP新駅で大規模開発 高層MS、商業施設、ホテルな...
2022年06月29日 (2,326)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2,219)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,736)
「アイアンショック」の足音 鋼材高値、リーマン前に...
2021年07月15日 (1,330)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 激化する若者獲得競争
地方企業が取るべき
戦略は-new

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-
若者獲得に向けた工夫とは。釧路市内の団体が開いたセミナーから、各回の講演概要を紹介する。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第234回「アセトアルデヒド」。二日酔いの原因物質で、顔の赤みや動悸、胃腸への刺激を引き起こします。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第21回「住宅の内装/色と素材感」。質感や柄から受ける印象も大切にしてコーディネートを進めたいものです。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第20回「能力向上へ適切な指導」正しいゴールの設定やフィードバック、成功体験が大切です。