道内初、UAV資材運搬 上川総合局林務の治山現場で試行

2021年10月12日 10時00分

 上川総合局林務課発注の治山現場でICT施工が本格化している。受注者の中川建設(本社・中川)は、UAVによる建設資材を道内の公共工事では初めて試行し、急傾斜地で安全に資材が運べることを確認。マシンコントロールによる掘削や起工測量・出来形管理、遠隔臨場まで施工・管理を一貫したICTの活用を図っている。

UAVで丸太や柵を現場まで運搬した

 道水産林務部は2021年度、治山工事へのICT導入を開始した。治山の現場は急傾斜地や山林など険しい地形が多いため、安全で効率的な施工手法として注目している。

 モデル工事として上川総合局のトマムスキー場地先復旧治山を選定。主な作工物として木製の土留め3基、木柵81mのほか水路や伏工を施し、斜面を保護する。

 中川建設は新たな取り組みとしてUAVによる建設資材の運搬を、産業用ドローンの販売・技術講習を手掛けるドリームベース(本社・札幌)の協力を得て実施。土留め用の丸太600㌔、柵280㌔の運搬にUAVを導入した。

 林業の苗木運搬用UAV「森飛」で、公共工事での資材運搬には初導入。資材置き場から施工現場までの距離は水平方向で片道300m、垂直方向の高低差で40mあるが、ワイヤロープと専用フックで荷を吊り上げ、1回の飛行で10㌔程度の資材を運ぶことに成功した。

 森飛は発着地点にそれぞれ1人ずつ操縦者を配置してコントロールを途中で切り替える2オペレーター方式を採用。ドリームベースの和合将学常務は「操縦にたけたオペレーターならスピード感を持って作業できる。最低限の発着地点さえ確保できればいいので、無理に木を切って工事用道路を作る必要もない」とメリットを説く。

 試行では3フライトに1回の頻度でバッテリーを交換する必要があった。現場代理人を務める中川建設の斉藤守生土木課長は「バッテリーの充電環境を確保できるかが課題」としながらも、「人力で運ぶより格段に楽で、滑落の危険もないので山奥の現場には適しているのでは」と、治山など急傾斜地工事での有用性を評価した。

 この現場では3Dレーザースキャナーを活用した起工測量とマシンコントロールのバックホーによる掘削を実施しているほか、3D出来形管理による納品も予定。ウェブカメラを用いた遠隔臨場を3回実施していて、移動時間短縮などの効果も上がっている。

(北海道建設新聞2021年10月11日付4面より)


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