深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り 三ッ輪商会 栗林延年社長

2021年11月15日 15時00分

栗林延年社長

釧路の生活を「彩りたい」

 建設資材や石油製品など各種商品卸売業の三ッ輪商会(本社・釧路市)は4月、釧路フィッシャーマンズワーフMOO内に釧路地区初のアウトドア専門店「EHAB」(イーハブ)を開業し、観光とアウトドア部門に進出した。8月には釧根管内初となる「業務スーパー」をフランチャイズ出店。ニーズの高い業態を多角的に展開する栗林延年社長に背景や狙いを聞いた。

 -アウトドアショップ開業の狙いは。

 釧路湿原周辺でするキャンプやカヌーでの川下りをはじめ、自然体験の魅力を観光客・地元住民に伝えたいとの思いから、観光とアウトドア部門への進出を決めた。アウトドアショップの開業はその足掛かりだ。

 買い物だけでは違いを出せないため、観光情報などを併せて得られるショップを考えた。釧路観光コンベンション協会と協力し、コンシェルジュカウンターを店内に設けた。

 -観光情報窓口の併設でどのような効果が期待できるか。

 今回のアウトドアショップでは、用品と観光情報を合わせて提供できる形をつくれた。体験観光などの予約受け付けといったサービスを提供する。販売以外にレンタルやグランピングといったイベント運営にも取り組む。異なる取り組みを掛け合わせた事業を模索し、相乗効果を生み出しながら地元の観光を盛り上げたい。

 -業務スーパー開業の経緯を。

 釧根管内にはない新たな業態のため店舗を出したいと、フランチャイザーとして業務スーパーを全国展開する神戸物産(本社・兵庫県加古川市)に申し出ていた。札幌と近郊、道北、道南地域を中心に店舗を展開していたが、2020年9月に帯広市内でフランチャイズが出店されたことで、物流体制が整い、釧路で出店できることになった。

 -店舗の特長は。

 8月にオープンした釧路昭和店では「馳走菜」という総菜や弁当を扱うブランドも道内の店舗で初めて展開する。神戸物産グループが製販一体で製造、調理、販売までの全てに取り組み、比較的安価な総菜や弁当を提供できる。出店するテナントが広く、スペースを確保できたことなどから実現した。

 業務用の冷凍食品や加工食品といった大きいロットの商品を取り扱う「業務スーパー」の魅力に加え、弁当などの販売で売り上げの向上を目指した。ファミリー層をはじめ、1人暮らしや単身赴任する人たちに喜んでもらっている。

 -今後の事業戦略や方向性について。

 三ッ輪商会としての売り上げの大半は、以前から進める建材や石油製品による。どれかが厳しくなっても補える体制を目指し、事業多角化に向けて取り組む。会社そのものが、いろいろなことにチャレンジする社風を持つことから、各部署が互いに支え合って業績を上げる形をつくる。

 釧路地域が生活しやすくなるような新たなサービスを探し出し、従来の分野を超えた事業も積極的に展開する。利便性が増すことで、他地域から移住したり、長く住み続けてもらえる助けになれたらいい。

(聞き手・坂本 健次郎)

 栗林延年(くりばやし・のぶとし)1979年10月2日、釧路市生まれ。2003年に法政大経営学部卒業後、太平洋セメントに入社。06年に三ッ輪商会に入り、16年に代表取締役社長に就任した。

(北海道建設新聞2021年11月10日付2面より)


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