車1台転落し3人が負傷
三笠市本町の道道岩見沢桂沢線で、11日未明に道路が陥没した。通行中の乗用車1台が転落し、乗っていた3人が負傷。陥没原因は判明しておらず、道路を所管する札幌建管によると、応用地質が現地で地質調査を行い原因究明に努めている。原因判明後直ちに復旧工事を行う予定だ。
現場は三笠市本町215の3の岩見沢桂沢線で、三笠市消防本部によると11日午前3時半ごろ、岩見沢署から通報が入り救急出動。陥没した穴に乗用車1台が転落しており、乗車していた20代男性1人、10代と20代の女性各1人の計3人を病院に搬送した。いずれも命に別状はない。
陥没規模は延長7m、幅7m、深さ6m。同路線は、11日午前5時前から市道砂利山3号線交点―道道三笠栗沢線交点間の2・5㌔区間で全面通行止めとし、解除は原因判明後の復旧工事を行った後となる見通し。周辺の地盤には緩みがあり、工事車両や舗装板を移動するための重機が入れるかの調査も実施している。
札幌建管によると、同路線の夜間パトロールで10日午後6時44分に陥没箇所を通過した際に、異常は見られなかった。
寒地土研防災地質チームによると、一般的に路面下の陥没が生じる原因は地下埋設管のひび割れ、ずれなどが大半だという。管の中に土砂が流れ込むか、管から流れ出した水が土砂を運んでしまい、路面下の空洞化が進行。結果として陥没につながる。地下水に起因する空洞化や、地下でトンネル工事をしていたり、坑道が存在する場合なども考えられるという。
発生時、降雨や路面凍結はなかったが、11日午前3時以前の48時間降水量は91㍉を記録。陥没原因としてさまざまな要因が考えられ、同建管が調査を急いでいる。
三笠市によると、道道の下に下水道管はなく、法面下に水道管はあるが、11日朝からの水道量は通常の量と変わらない。松本裕樹経済建設部長は「今回の調査結果によっては、市道でも調査が必要か判断しなければならない」と話している。
松野博一官房長官は11日、今回の事故について「国民の安全安心や社会経済活動の基盤となるインフラの維持管理、更新を計画的に進めていくことが重要だ」と強調した。
(北海道建設新聞2021年11月12日付1面より)